組織について
魚病研究センター (Research Center for Fish Diseases)
魚病研究センターには、感染制御グループ、免疫グループ、病原体グループの3グループがあります。南勢庁舎(三重県南伊勢町)、玉城庁舎(三重県玉城町)、上浦庁舎(大分県佐伯市)にて、常勤研究職員、ポスドク研究員、研究補助職員等、総勢二十数名が、養殖業の持続的発展や水産資源の維持増殖を支えるため、養殖用魚介類や放流用魚介類の病気の防除を目指した研究開発を行っています。具体的には、水産生物の病気及びその原因、病理、治療、防除、予防及び免疫に係る研究開発です。
センターの構成
魚病研究センター長 中易 千早 感染制御グループ (Infection Control Group) 免疫グループ (Immunology Group) 病原体グループ (Etiology Group)
感染制御グループ (Infection Control Group)
感染制御グループは、病原体の感染・伝播様式の解明に基づく疾病防除技術に関する研究開発を行っています。
飼育水の紫外線処理によりヒラメへの粘液胞子虫の感染を遮断する実験風景。 | 粘液胞子虫。極嚢が花びらのように青く染色。 |
免疫グループ (Immunology Group)
免疫グループは、ワクチン等予防技術及びワクチン開発支援技術に関する研究開発を行っています。
左の図は、DNAマイクロアレイによりマダイイリドウイルスワクチン接種後の免疫関連遺伝子の発現を魚種間で比較したもの。 なお、本研究は農林水産業・食品産業科学技術研究推進事業実用技術開発ステージ「免疫応答を利用したワクチン適用可能魚種の同定(2013~2015年度)」により実施されました。 |
病原体グループ (Etiology Group)
病原体グループは、病原体特性及び発症要因の解明とそれを利用した防除対策の設計に関する研究開発を行っています。
写真はウイルスに感染した細胞(左)と正常な細胞(右)。写真(左)では、中央付近にウイルスに感染した細胞がはがれた様子が見られます。 |
研究課題
- リスクの高い疾病等の防除技術の開発 (2016-20)
- 水産防疫対策委託事業のうち「水産動物疾病の診断・予防・まん延防止に係る技術開発等」(2016- )
- 水産防疫対策委託事業のうち「水産動物疾病のリスク評価」(2016- )
研究トピックス
- アコヤガイ赤変病の病原体の推定(54号、2018年3月)
- ブリ類のべこ病に有効な治療法を開発(53号、2017年12月)
- ヒラメ稚魚大量死の原因を解明(52号、2017年9月)
- 25年の研究成果が実りブリ黄疸の原因は新“科”の細菌であることを発見(50号、2017年3月)
- ブリ黄疸の安価なワクチンを作製(50号、2017年3月)
- ギンザケに貧血を起こす原因ウイルスを解明(50号、2017年3月)
- インターフェロンを利用したエドワジエラ症ワクチン(49号、2016年12月)
- ヒラメの種苗生産・養殖施設でのクドアの感染防除策を開発(45号、2015年12月)
- キンギョヘルペスウイルス病のワクチンが可能に(39号、2014年7月)
- 遺伝子情報を解読してワクチン作製(33号、2012年12月)
- マダイイリドウイルス病に対するワクチン製剤作製方法の特許が成立しました!(31号、2012年6月)
- ゲノム情報を利用した新しい水産用ワクチンの開発(29号、2012年1月)
- 病気を短時間で診断する解析チップを開発(24号、2010年10月)
開発が進むブリ類のべこ病の対策技術(8号、2019年3月)
ギンザケの病原ウイルスの性状解明(8号、2019年3月)
アユの友釣りと魚病の関係〜エドワジエラ・イクタルリ感染症は高水温期に影響あり〜(8号、2019年3月)
魚病研究センターでの取り組みについて・ ブリ類のべこ病薬剤治療法の開発(7号、2018年2月)
国内に分布するカキヘルペスウイルスの病原性・未解決疾病に対するワクチン開発(7号、2018年2月)
網羅的遺伝子解析による病原体の特定・細菌性溶血性黄疸原因菌の性状解明(7号、2018年2月)
赤血球封入体症候群(EIBS)の感染履歴を把握する診断法の開発・特定疾病レッドマウス病に関する対策研究(7号、2018年2月)
FRANEWS(本部HP)に掲載された関連記事の再録です。
増養殖研究レターに掲載された記事の再録です(8号の内容はみなと新聞「養殖研究フロントライン」にも掲載されました)。