第50回UJNR水産増養殖専門部会を開催
(オンライン、2022年11月14〜16日)

 第50回UJNR水産増養殖専門部会の事務会議と科学シンポジウムを2022年11月14日から16日にオンラインで開催しました。

 天然資源の開発利用に関する日米会議(UJNR)水産増養殖専門部会では、日本の窓口を水産研究・教育機構が、アメリカの窓口を米国海洋大気庁(NOAA)が担当し、1年交代で日本とアメリカで事務会議と科学シンポジウムを開催しています。第50回水産増養殖専門部会は日本が担当して東京・横浜で開催する予定でしたが、新型コロナウイルス症の世界的な感染拡大により3年連続のオンライン開催となりました。日米の時差を考慮して深夜、早朝を避け、日本時間では朝、米国時間では夕方から夜になるように時間を設定し、2時間の会議を3日にわたって実施しました。

 事務会議では、日米の増養殖の状況について情報交換が行われました。今回が第50回と節目となる会議であることから記念事業と功労者表彰の実施が同意されました。また、次回の会議を米国で開催することが同意されました。

 科学シンポジウムでは、「養殖業での疾病管理」をテーマに米国から57名、日本から57名の計114名が集まりました。近年で最大の参加者数であった第49回より24名多くなりました。日米から多くの人が参加できるのがオンライン開催の強みです。

 1日目前半は「教育と疾病管理」をサブテーマとし、日本の水産診断体制における公設試の役割、日本の魚病における獣医師の役割、米国における養殖健康管理、米国北中部における魚病管理強化の4課題が発表されました。1日目後半のサブテーマは「疾病管理」で、日本における新規病原体の調査、米国におけるエビ感染症診断と治療、日本における環境DNA を用いたマダイイリドウイルスのモニタリングの3課題が発表されました。

 2日目前半のサブテーマは「魚介類の疾病」で、米国におけるカキヘルペスウイルス(OsHV-1)の現状、米国サンディエゴ湾におけるマガキのOsHV-1 耐性、病原ウイルス(PRV-2)ゲノム配列に基づくギンザケ赤血球封入体症候群(EIBS)の研究、ウナギ養殖場におけるニホンウナギ内皮細胞感染ウイルス(JEECV)の蔓延の4 課題が発表されました。2日目後半のサブテーマは「給餌戦略と魚類免疫学」で、ASC-1 欠損メダカにおけるエロモナス感染時の免疫低下、魚類健康増進の機能性飼料成分の2課題が発表されました。時差があって限られた時間でしたが、時間いっぱい議論が行われました。

 今回が「養殖業での疾病管理」をテーマとした三か年計画の2年目のシンポジウムでした。2023年が三カ年計画のまとめとなります。



オンラインでの事務会議参加者のスクリーンショット


南勢庁舎大会議室からのシンポジウムオンライン参加


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