クエ種苗生産における初期飼育技術の開発 |
水温、水面照度、日長条件、餌料サイズおよび密度等について適正な環境条件下でクエ種苗生産初期飼育の実証試験を行った結果、10日齢までの初期生残状況が約80%となり、クエの種苗生産初期飼育技技術を確立した。 |
担当者名 |
独立行政法人水産総合研究センター増養殖研究所 養殖技術部 健苗生産研究グループ |
連絡先 |
Tel.0972-32-2125 |
推進会議名 |
水産増養殖関係 |
専門 |
増養殖技術 |
研究対象 |
魚類 |
分類 |
研究 |
「研究戦略」別表該当項目 |
1(2)水産生物の効率的・安定的な増養殖技術の開発 |
[背景・ねらい] 近年、マダイ・ヒラメなど主要な養殖対象種の魚価が低迷する中でクエを始めとしたハタ類が新たな養殖対象種として非常に注目されている。そのため、ハタ類の種苗生産技術開発が各地で行われているが、種苗生産初期の減耗が大きく量産化の大きな障壁となっている。本研究では、これまでに小型水槽で明らかにした適正な飼育条件を適用し、量産化を目指したクエ初期飼育の実証試験を行った。
[成果の内容・特徴] これまでに小型水槽を用いて水温、水面照度、日長条件、餌料サイズおよび密度等についてクエの適正な環境条件下の検討を行ってきた。それらの結果を統合し、表1に示す飼育条件で60kLまたは130kL水槽を用いて計3回の初期飼育の実証試験を行った。その結果、それまで10日齢までの初期生残率が約20〜40%程度であったクエの初期生残率が平均で80%にまで向上した(図1)。
[成果の活用面・留意点] クエ種苗生産において大きな障壁となっていた初期の減耗を軽減する飼育技術が開発されることで、種苗の量産化が可能になるとともに、種苗生産コストの低減につながり、事業化に貢献することができる。
[その他] 研究課題名:魚類飼育における初期減耗要因と適正な飼育環境の把握
研究期間:H17〜H22
予算区分:運営費交付金(一般研究)
研究担当者:岩崎隆志,井手健太郎,岡 雅一
発表論文等:特になし
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[具体的データ] |
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