微細藻テトラセルミスの凍結保存可能細胞群の作出 |
微細藻テトラセルミスは餌料として有用種である。本種の凍結保存法の開発を進め、まず、培養液を極力除去した高密度細胞ペレットを調製したのちに凍結すれ
ば、解凍後に僅かに生残細胞が得られることを見出した。次に、この生残細胞に対する選抜効果を期待して、拡大培養・ペレット化・凍結・解凍の一連工程を反
復的に実施した。その結果、凍結保存が可能な細胞群を作出することができた。 |
担当者名 |
国立研究開発法人水産研究・教育機構増養殖研究所 育種研究センター 育種基盤グループ |
連絡先 |
Tel.0599-66-1830 |
推進会議名 |
水産増養殖関係 |
専門 |
水産遺伝育種 |
研究対象 |
植物プランクトン |
分類 |
研究 |
「研究戦略」別表該当項目 |
5(2)遺伝資源等の収集・評価・保存 |
[背景・ねらい]
微細藻の保存は、継植によるものが多く、その作業省力化や継植ミスの回避のため、凍結保存など新たな保存法の開発が望まれている。テトラセルミスの凍結保存の可能性について検討する。
[成果の内容・特徴]
微細藻テトラセルミスの凍結保存法の開発について、次の1〜3の成果を得た。
1.培養液を極力除去した高密度細胞ペレットを調製し、これを緩慢凍結することによって、解凍後に僅かに生残細胞が得られることを解明した。
2.生残細胞を起点として、拡大培養・ペレット化・凍結・解凍の工程を反復的に実施し、凍結後の復元が可能な細胞群を作出した。
3.作出した細胞群の復元率は0.05%(開発時)と低いが、凍結時のペレット細胞数を1000万以上とした場合、復元成功率は100%で確実に凍結保存できる。現在、2ヶ月の保存に成功し、さらに長期保存性について検証中。
[成果の活用面・留意点]
2〜3年程度の凍結保存を可能にすることで、実用化に繋がるものと認識している。今回作出した細胞群の栄養価等の特性に変化がないかどうかも解明する必要がある。現時点では継植保存との併用としている。
[その他]
研究課題名:遺伝資源の収集・評価・管理・ならびに利用技術の開発(ジーンバンク事業)
研究期間:平成28―32年
予算区分:交付金
研究担当者:徳田雅治
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[具体的データ] |
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