第49回UJNR水産増養殖専門部会の事務会議と科学シンポジウムを2021年11月2日から4日にオンラインで開催しました。 天然資源の開発利用に関する日米会議(UJNR)水産増養殖専門部会では、日本の窓口を水産研究・教育機構が、アメリカの窓口を大気海洋局(NOAA)が担当し、1年交代で日本とアメリカで事務会議と科学シンポジウムを開催しています。第49回水産増養殖専門部会は米国が担当して米国で開催する予定でしたが、新型コロナウイルス症の世界的な感染拡大により前回に続いてオンラインで行われました。日米の時差を考慮して深夜、早朝を避け、日本時間では朝、米国時間では夕方から夜になるように時間を設定し、2時間の会議を3日にわたって実施しました。 事務会議では、日米の増養殖の状況や新型コロナウイルス症感染流行の養殖への影響などについて情報交換が行われました。また、次回の会議を日本で開催することが同意されました。 科学シンポジウムでは、「養殖業での疾病管理」をテーマに米国から37名、日本から53名の計90名が集まりました。近年では最大の参加者数となりました。1日目は「魚病と予防」をサブテーマとし、ヒラメアクアレオウイルスの単離と同定、ワイセラ病−養殖ニジマス新興感染症、ブリ類におけるインターフェロンγの測定法開発、カラムナリス病に対する組換えタンパクワクチン、日本の海産魚から単離されたノカルジア菌のα-グルコシダーゼ活性、養殖魚の新興病原体の6課題が発表されました。2日目は「教育と疾病管理」をサブテーマとし、水産大学校の紹介、21世紀の水産医薬品、マダイイリドウイルスのエピトープマッピング、二枚貝の新興感染症の管理、魚病管理のための疫学技術の進歩−カキヘルペスウイルスの伝播モデル、魚病の病原体と寄生虫に対する気候変動の影響の評価法の6課題が発表されました。オンラインで限られた時間でしたが、時間いっぱい議論が行われました。 今回が「養殖業での疾病管理」をテーマとした三か年計画の最初でした。2023年までこのテーマで開催される予定です。 |
オンライン会議の模様 |