25回日米合同会議について

 水産増養殖専門部会日米合同会議は,隔年毎に日米交互に開催される。第25回合同会議は日本開催の番にあたり,平成8年10月16日(水)-17日(木)の両日,横浜市の中央水研で開催された。合同会議は,0.5日の事務会議と1.5日のシンポジウムから構成されている。合同会議後,1018日(金)から1024日(木)の間,米国一行は水産研究関連施設の視察を含む現地検討会を行った。

1.事務会議

 事務会議では専門部会が行っている諸活動について両国から報告し,次年度の計画等について協議する。諸活動の主な柱は,合同会議の開催,研究者の交流,文献の交換,共同研究の推進,シンポジウムプロシーディングスの刊行である。これらは5ヶ年計画に基づいて進められているが,今回は,第5次5ヶ年計画を立案する年に当たったので,その成案についても報告しておきたい。

 事務会議の構成者は,日本側は部会長(養殖研所長),副部会長(参事官),国内委員,事務局員である。今会議の出席者は,畔田正格部会長,安藤 忠(北水研),山下 洋(東北水研,代理),細谷和海(中央水研,代理),吉田吾郎(南西水研),藤井徹生(日水研,代理),日向野純也(水工研),マーシー・ワイルダー(JIRCAS)の各国内委員,養殖研の乙竹 充(研究者交流担当),鈴木 徹(文献交換担当),中島員洋(共同研究担当),筆者の各事務局員,および古川 厚UJNR顧問(オブザーバ)であった。米国側の構成者は,部会長,NOAA(商務省海洋大気局)傘下の水産研究所およびNOAAの研究開発予算(National Sea Grant)の助成を受けている大学等である。今会議には,James P.McVey部会長(National Sea Grant Program水産増養殖部門担当部長),C.Mahnken副部会長(National Marine Fisheries Service,Manchester Lab.)およびJ.Sullivan研究者交流担当委員(California Sea Grant College Systems, Ms. J. Keller出版担当委員(NMFS, Oxford Field Sta.)の各委員のほか,J.MillerNorth Carolina State Univ.,H.BernUniv.Calif. Berkeley),R.StickenySea Grant College Pro-gram, Texas A&M Univ.,A.J.PaulUniv.Alaska, M.SchieweNMFS,Seattle, T.SmithSouth Carolina Marine Resources Res.Inst.,R. BarnabySea Grant College Program,Univ.New Hampshire, C.S.LeeHawaii Oceanographic Inst.)の8名がオブザーバとして出席した。

(1)研究者の交流

 今期(1995-1996年)に,相互の国を訪問した研究者のリストScientist Exchange(日本側42名,米国側8名)が,担当委員間で手交された。なお,日本側リストは,インターネット(養殖研ホームページ)に掲載しているので詳細はそちらを参照頂きたい。

(2)文献の交換

 今期に,それぞれの国立水産研究所で発刊された研究報告のリストLiterature Exchange(日本側159編,米国側48編)およびリプリントが,担当委員間で手交された。米国側の担当委員は,NOAA図書館Carol Watts館長である(今回,部会長が代理)。なお,この論文リストは,日米ともインターネットのホームページ(日本側:同上,米国側:NOAA中央図書館ホームページ内のUJNRホームページ)に掲載されている。また,リプリントは養殖研図書室に所蔵されているのでご利用頂きたい。

(3)共同研究

 日本側から,研究者Researchers-Japanおよび研究課題Research Subjects-Japanのリストおよび「漁業養殖業生産統計年報」が,米国側から,「Sea Grant's Guide to Coastal Science Experts,Fisheries of the United States 1995,A Draft Plan on Sustainable Flounder Culture and Fisheries,Directory of States Aquaculture Coordinators and Contacts 1996」の図書4点が,それぞれ交換された。

 また,UJNR共同研究活動の一環としての日米ヒラメ共同放流実験(これまでの経過については本号No.32を参照)の進捗状況が報告された。この共同実験では,日米がそれぞれのヒラメを対象に,種苗放流が環境に与える影響を調査しようというもので,米国側はノースカロライナ州立大学John Miller教授が,日本側は京都大学田中 克教授がコンタクトパーソンを務めている。なお,本件に関連して,田中教授主催で3月5日(水)に,京都大学において「第1回日本海ヒラメ栽培漁業研究会」が開催された。第 I 部では,ヒラメの資源・生態と栽培漁業について,北海道中央水試 藤岡 崇,西水研 輿石裕一,東北水研 山田秀秋,京大水産実験所 木下 泉,鳥取県 古田晋平,日水研 藤井徹生の皆さんから,それぞれの研究成果の発表があった。II部では,放流実験に関連して,京大 上野正博,京大水産実験所 青海忠久の両先生が,米国の放流場の環境やヒラメ種苗生産技術の移転状況等について紹介された。また,田中 克,福井県立大 富永 修の両先生は今後の具体的な進め方について,また,UJNR事務局として小職は関連プロジェクトをそれぞれ紹介し,共同研究の支援策について協議を行った。今後,米国側はNOAA傘下の水産研究所および大学等がネットワークを形成し,Sea Grant Programの予算を使って研究を進めていくことになる。日米とも10万尾スケールの放流を計画しているが,米国側は種苗生産の状況(施設および技術)から,種苗の確保にしばらくの時間がかかりそうである。日本側は,現在,田中先生が取得されている文部省科学研究費の延長による研究費の獲得を目指すが厳しいものがある。事務局としては,今後,必要に応じて,「国際共同研究総合推進制度」等に応募し,研究予算の獲得を図ることになろう。幸い,放流種苗については,水産庁開発課の支援により,(社)日栽協が生産した種苗の供与を頂ける見通しである。いずれにしても,米国側と足並みを揃えた日本側の共同研究の組織化と,年次計画の策定が急がれる。

 次いで,中島委員よりUJNR共同研究の一環として国際ワークショップ「水産動物のウイルス性疾病に対する新しい研究展開」が,養殖研(病理部)主催で1月に京都で開催されるとのアナウンスがなされた。なお,本ワークショップは,平成9年1月21日(火)〜23日(木)に京都の「ルビノ京都堀川」で開催された。企画運営委員長および日本側代表を養殖研病理部 乾 靖夫部長が,また米国側代表を魚類ウイルス性疾病の研究で世界的に有名なNorthwest Biological Science CenterJim Winton博士が務めた。会議には,米国を中心に世界の第一線で活躍している魚類およびエビのウイルス性疾病の研究者15名が招聘され,日本側からは27名が参加した。研究発表は3日間行われ,第1日目には,Winton博士及び広島大学の室賀清邦教授によるキーノート講演が行われた。また,Winton博士は「魚類ラブドウイルスの検出および防疫のための分子生物学的手法の応用」について,室賀教授は「日本における海産養殖魚のウイルス性疾病」について,それぞれ講演を行った。さらに,イリドウイルス感染症をはじめとする魚類の重要ウイルス性疾病およびワクチンに関する発表(17題)が第1〜2日目にかけて行われた。最終日には,わが国をはじめ米国,東南アジアで多発し,大きな被害をもたらしているエビのウイルス性疾病に関する発表(9題)があり,バキュロウイルスの研究で世界的に著名な理化学研究所の前田 進博士により特別講演が行われた。3日間の研究発表を通して,魚介類のウイルス研究における分子生物学的および免疫学的手法を用いた新しい研究展開に関する最先端の研究情報が交換され,内外の参加者から魚介類疾病の分野でも類をみない充実したものとして高く評価された。本会議の研究成果はプロシーディングスとして養殖研から刊行し,米国,日本の魚病学雑誌に入手方法を掲載して,広く国際的な情報発信を図ることとなった。

(4)出版

 担当委員(日本側は高柳和史委員,今回事務局長が代理)から,1995年にテキサスで開催された第24回日米合同会議シンポジウム「水産増養殖と水質・環境−特に魚類・エビ類養殖場からの排水とその水質問題」のプロシーディングスは,現在,編集を済ませ1997年4月までにNOAA発行図書として,また,今回のそれは来年度の早い時期に養殖研研究報告補遺第3号として,それぞれ刊行の予定であることが報告された(第24回プロシーディングスは,この1月に「Water Effluent and Qualitywith Special Emphasis on Finfish and Shrimp Aquaculture」と題し,UJNR Technical Report No.24TAMU-SG-97-102)としてテキサスA&M University Sea Grant College Programから刊行された)。

 なお,米国側は,前記NOAA図書館のUJNRホームページで,これまでに開催されたシンポジウムのプロシーディングスを閲覧出来るよう整備中である(既に,第22回については閲覧・ダウンロードが出来る)。

(5)第5次5ヶ年計画

 日米合同会議に併せて開催するシンポジウムの主題は,協議の結果,以下とすることで合意した。

  1. 増養殖の技術開発と魚介類の栄養・代謝

1997年9月,ニューハンプシャー州)

2.魚介類育種の目標と戦略(1998年,日本)

3.成熟・発生機構と種苗生産(1999年,米国)

4.病原生物と防疫(2000年,日本)

5.増養殖対象種の生態学と資源増強(2001年,米国)

(6)総合討議

 今回のシンポジウムの主題は「水産増養殖と生物の多様性−持続的発展を目指して−」である。畔田部会長は,事務会議で主題に関連して次のように述べた。「近年は食料供給と環境問題が解決すべき地球規模の問題である。天然の環境,漁業の特色,文化等が互いに異なる日米両国研究者が,生態系における生物の多様性の維持を図りながら,持続的な水産増養殖の発展を目指す方向を探ることは,包括的で普遍的な理解を得るのに極めて重要である」。これに応えて,McVey部会長は,「生物の多様性が損なわれれば持続性が損なわれるなど,生物の多様性の維持と水産増養殖の発展は互いに関連を持たせながら解決を図るべき課題である。現在,米国では,水産増養殖活動が,環境や生物の多様性を損なうのではないかという過度の懸念が,増養殖の発展を阻害している。同様の問題を抱えながらも増養殖の発展を実現している日本に学び,生物的な環境の維持を図りながら生産の持続性を保障する技術の開発が発展の鍵である」と述べた。また,具体的課題として,共同研究の推進,共通の原理を発見するための結果の共同解析,種苗放流が環境に与える遺伝学的影響の解析,合理的な施策のための適切な情報提供,漁業者の組織化・栽培関連施設の整備・財源の問題解決等が必要であるとした。

2.シンポジウム「水産増養殖と生物の多様性

  −持続的発展を目指して−」

 事務会議に引き続き,標記シンポジウムが2日間にわたり開催された。今回のシンポジウムは第25回目になる。すなわちUJNR増養殖専門部会の活動が開始されて四半世紀という記念すべき年にあたり,従来の個別的課題から離れ,21世紀を目前とした現時点で,水産増養殖の将来方向を長期的かつ全地球的視点から論じようとの目的から主題が選択された。開催趣旨は,以下のようなものである。近年,世界の食糧問題の解決に向けて,タンパク質供給源としての水産増養殖に大きな期待がかけられているが,その増養殖の持続的発展を支えている生物の多様性に関わる諸問題を,自然環境や社会環境の異なる日米の研究者によって総合的に論議し,研究の展開方向を見定める。なお,日米合同会議は,通常,伊勢市周辺で開催されることが多いが,以上の趣旨から,今回は行政部局を含め広い分野からの参会を期待して中央水研(原 武史所長)で開催することとした。

 シンポジウムには,主題に対する関心の高さを反映して,大学7名,都道府県水産試験場23名,水産関係団体・民間等16名,水産庁行政部局6名,水産庁研究所等53名,米国18名の合計123名の参会者があり盛況であった。米国側参会者は,上記事務会議出席者に加えてR.W.LangtonMaine Dep. of Marine Res.),B. J . BarberUniv. Maine),B.CelikkolUniv. New Hampshire),C. G. DuffyGreat Bay Aquafarms, New Hampshire),W. HeardAukeBay Lab. Nat'l Mar. Fishery Service),C. Helsley Hawaii Sea Grant Coll. Pro.Univ. Hawaii)の諸氏である。

シンポジウムは,5つのセッションから構成された。すなわち,I.増養殖漁場に関する諸問題(座長:細谷和海室長,Dr.Sullivan),II.養殖生産および遺伝資源の保全に関する諸問題(谷口順彦教授,Dr.Stickney),III.増殖生産に関する諸問題-1(山下 洋室長,Dr.Bern),IV.同-2(和田克彦部長,Dr.Mahnken),V.総合討論(畔田正格所長・Dr.McVey部長の両部会長)で,日米双方から15題ずつ合計30の話題提供が行われた。個別のテーマ等については,本号No.32を参照頂きたい。話題提供を踏まえたシンポジウムの討論の概要は以下のとおりである。増養殖漁場に関するセッションでは,内湾や干潟における多様なプランクトン,ベントス等の存在は,健全な漁場の指標となると共に,浅海域の持続的な生物生産や浄化機能は,これら多様な種の存在によって担われていることが強調された。養殖生産および遺伝資源の保全に関するセッションでは,養殖用の優良品種の作出が養殖業の発展のブレークスルーとなることが強調され,遺伝子の多様性の保全がその前提となることが指摘された。増殖生産に関するセッションでは,米国においても従来,環境問題でタブー視されていた放流実験が試みられている事例が紹介された。また,放流種苗の遺伝的な多様性に関する問題や,系統の異なる種苗等の放流による天然資源の攪乱の危険性が論議された。

 総合討論では,日米双方の研究者にとって最も関心の高い種苗放流による資源培養に焦点を絞って論議が行われた。放流種苗を人工的に生産する際の親魚の数について,理論面と現実面の両面から論議が行われた。また,種苗放流が天然の生物群集に与えるインパクトについて,生態系全体を視野に入れた総合調査の必要性が指摘された。そして,現在,UJNRの共同研究の一環として準備が進められているヒラメの日米共同放流実験の具体化に向け,行政サイド(上之門量三水産庁開発課長出席)も含め,日米双方が努力することで合意が得られた。以上の成果は,わが国の“栽培漁業”を過度な期待や行き過ぎた不安から解放し,世界の栽培漁業とする上からも重要であろう。

シンポジウムの最後に農林水産技術会議事務局を代表して嶋津靖彦研究管理官(副部会長)から,昨年9月に開催されたUJNR15回全体会議の報告を受けた。全体会議の印象では,増養殖専門部会の活動は,現存18部会(参考資料参照)の中でもトップランクに位置づけられ,今後も部会活動の推進に努力するとの挨拶を頂いた。

シンポジウム終了後,中央水研ラウンジでレセプションを開催した。鏡割りの升酒で乾杯し,三重県漁連,養殖研日光支所等から提供頂いたハマチ等5種の刺身の名前あてクイズを楽しむなどして盛り上がった。

3.現地検討会

 今回の現地検討会は,米国側が関心を高めており,また,今後の共同研究推進の参考とするため,ヒラメの栽培漁業を中心に企画された。日程と訪問機関は以下のとおりである。

1018日(金)横須賀市:海洋科学技術センター 

       (スペシャルセッション I 開催)

1019日(土)小田原市:鈴広蒲鉾店,

       (社)日本栽培漁業協会南伊豆事業場

1021日(月)我孫子市:電力中央研究所我孫子研究所,

        波崎町:水産工学研究所

       (研究交流会開催)

1022日(火)鹿嶋市:茨城県栽培漁業センター 

       (スペシャルセッションII開催)

1023日(水)つくば市:農業研究センター

       (つくばリサーチギャラリー),

       (株)マルハ中央研究所,

        国際農林水産業研究センター

       (研究交流会開催)

1024日(木)東京:東京都中央卸売市場

 訪問先機関で開催したスペシャルセッションのプログラムおよび概要は次のとおりである。

Special Session I

「沿岸域の有効利用と環境保全および神奈川県における水産増養殖について」

とき 平成8年1018日(金)13001530

ところ 海洋科学技術センター(JAMSTEC)会議室

1.開会の挨拶

 JAMSTEC海域開発・利用研究部長 宇野史郎

2.意見交換会趣旨の説明

 養殖研究所長 畔田正格

3.海洋科学技術センターにおける沿岸域の有効利用と環境保全に関する研究技術開発の紹介

  1. 仙台湾における海中エレベーターシステムの開発

     2グループ主幹 工藤君明

2)潜行浮上型人工海底の開発・利用

     4グループ主幹 岡本峰雄

3)海底設置型生育装置の開発

     1グループ副主幹 鷲尾幸久

4)水産増養殖への深層水利用

     1グループ副主幹 中島敏光

4.神奈川県における水産増養殖に関する研究技術開発の紹介

1)ヒラメ栽培漁業の現状

     神奈川県水産総合研究所 中村良成

5.米国におけるヒラメ栽培漁業の取り組みおよび6.閉会の挨拶

     UJNR水産増養殖専門部会米国側部会長, James P.McVey

 本セッションには,JAMSTEC海域開発・利用研究部および神奈川県水産総合研究所増殖部の研究員(今井利為・中村良成の両氏),それに事務局メンバーが参加した。沿岸増養殖に関連したJAMSTECの研究開発は,米国サイドにとっては勿論,私共にとっても大変興味深いものであった。また,神奈川県のヒラメ種苗放流に関する研究は,アメリカ側が正にこれから手がけようとしている課題そのものであり,2つのトピックスとも議論は大いに盛り上がった。セッションの後,施設を見学した。

Special Session II

「茨城県におけるヒラメ栽培漁業に関する意見交換」

とき  平成8年1022日(火)13001600

ところ 茨城県栽培漁業センター会議室

1.開会の挨拶

    茨城県栽培漁業協会専務理事 石川亨市

2.話題提供

1)茨城県栽培漁業センターにおけるヒラメ栽培

  漁業の取り組みについて

        茨城県栽培漁業協会 栄 健次

2)茨城県沿岸海域におけるヒラメの資源管理

         茨城県水産試験場 二平 章

3)ヒラメ増殖場の計画と設計の改善に関する研

  究       水産工学研究所 木元克則

3.自由討議

4.閉会の挨拶

  UJNR水産増養殖専門部会米国側部会長, James P.McVey

 茨城県栽培漁業センターのワムシ等初期餌料の培養と濃縮装置,ヒラメ幼魚やチョウセンハマグリ・エゾアワビ種苗の飼育の実際,海水の取水施設等を見学した後,センターと県水産試験場から,茨城県のヒラメ栽培漁業(種苗生産の概要,放流効果)についての考え方や成果を披露して頂いた。水工研からは,幼魚期の生態を踏まえた増殖場の計画・設計に際しての留意点について紹介がなされた。米国側から,ヒラメの栽培漁業に関連した情報提供の依頼と,今後,UJNR共同研究に結集し,ヒラメの資源増大を成功させようとの意志の表明がなされ閉会した。

 スペシャルセッションを開催した機関を除く訪問機関における現地検討会の概要は以下のとおりである。鈴広蒲鉾店では近代的で衛生的な蒲鉾の製造工場を見学した。(社)日栽協南伊豆事業場(島 康洋場長)では,イセエビ,スズキ,キンメダイ等の魚種の種苗生産技術開発の説明を受け,施設を見学した。

電力中研我孫子研究所生物部では,水生生物グループ(本田晴朗グループリーダー)の皆さんから閉鎖循環式飼育装置を用いたヒラメやオニオコゼの高密度養殖試験について紹介頂いた。

水工研(上北征男所長)で開催した研究交流会では,日本側から岩礁域漁場開発のための工学技術(川俣 茂主任研究官),漁港内の海水交換(中山哲巌室長),イルカのエコロケーション(赤松友成研究員),音響を用いた魚群探査(丁力STAフェロー)について,米国側からニューハンプシャー州における沖合養殖について(ニューハンプシャー大学B.Celikkol教授)それぞれ紹介がなされた。交流会の後,所員手作りの出店など趣向を凝らした盛大な歓迎パーティを開催して頂いた。

 マルハ(株)中央研究所では生物化学研究室の皆さんからマグロとクルマエビの養殖について紹介頂いた。JIRCAS水産部(福所邦彦部長)では,同部が開発途上地域で進めている増養殖に関する共同研究プロジェクトについて紹介を受け,施設を見学した。最終日は巨大な築地魚市場を視察し,旅行を終了した。米国側は,いずれの訪問先でも熱心に視察し,質問も連発するため時間が足りないくらいであった。

 以上,第25回合同会議の概要を紹介したが,今回の会議の実施に当たって施設の使用,視察等の便宜供与を頂いた中央水産研究所,海洋科学技術センター,神奈川県水産総合研究所,電力中央研究所,茨城県栽培漁業協会,茨城県水産試験場,水産工学研究所,国際農林水産業研究センター,マルハ株式会社,鈴広蒲鉾店ほかの関係機関に対し厚くお礼申し上げる。また,会議の開催をご支援頂いた(社)日本栽培漁業協会,(社)日本水産資源保護協会,水族飼育技術懇談会(古川 厚会長),芙蓉海洋開発(株),藤谷 超・高木健治・田中邦三の各UJNR顧問の各機関・各位にお礼申し上げる。さらに,今回の視察旅行の立案と実施には,中央水研 石田典子国際協力研究官および水工研 日向野純也国内委員に負うところが大きく,感謝申し上げる。

U.第26回水産増養殖専門部会日米合同会議の

  ご案内

 標記会議は,今秋9月16日(火)からニューハンプシャー州ポーツマス市のニューハンプシャー大学で,10日余にわたって開催される。シンポジウムの主題は「増養殖の技術開発と魚介類の栄養・代謝」である。米国側は,特に栽培漁業を含む増養殖活動について意見交換を希望している。増養殖の研究活動と実際の漁業との連携・協同といった話題やホタテガイの増養殖に関する話題の提供が要請されている。現段階の仮のプログラムを以下に記した。話題は広範な分野にわたっているが,栽培漁業の現況といったようなレビューペーパーも歓迎される。

 シンポジウム終了後,1週間のフィールドトリップが下記のように予定されている。この旅行はワゴン車に乗り合わせ,米国側事務局が地方の増養殖の現場や研究施設を効率よく案内してくれる。今回は美しいウッズホール周辺の視察が組み込まれている。昨秋,横浜で開催したシンポジウムには水産庁研究所以外からも沢山ご参会を頂いた。今回は,是非,多くの方々が本シンポジウムにお出かけ頂くことを期待している。そしてこのような活動を通して,このUJNR水産増養殖専門部会が,水産庁研究所のみならず大学・水試等を含む増養殖関係研究者の共通の財産として利用され,さらに発展していくよう事務局としても努力したい。

シンポジウム「増養殖の技術開発と魚介類の栄養・代謝,Technical Development of Aquaculture and Nutritional Metabolism」プログラム(案)

セッションI 栄養代謝Nutrition

1.親魚養成BroodstockMaternal provisioning of eggs

2.仔稚魚の栄養要求Larval requirements

3.消化器官の形成Ontogenetic development of digestive systems

セッションU 遺伝育種Genetics

1.遺伝的変異Genetic difference between stocks

2.養殖用種苗の選択育種Selective breeding in intensive aquaculture

3.資源増殖と遺伝資源の保存Implication for stock enhancement

セッションV 健康管理Health management

1.免疫系の発達Ontogenetic development of immune systems

2.微生物の役割Role of microflora

3.疾病の垂直感染Vertical transmission of diseases

セッションW 資源増殖Marine stock enhancement

1.対象種と放流場の選択Species and site selection

2.環境収容力Ecosystem capacity

3.生態系への影響Ecological impacts

4.放流技術(放流サイズ,放流時期,放流場所,野生種と人工種苗の相違)MethodologySize at releasetiming of releaselocation of releasedifferences between wild and cultured organisms

セッションX 海面養殖技術Engineering for open ocean aquaculture

1.養殖場の評価Site evaluation by modeling and monitoring

2.養殖施設の評価法Tools for evaluating containment structure geometries

3.養殖海面の造成に関する生物学的および工学的障害の解決策Integrated solutions to biological and engineering hurdles in expanding the

usable ocean

ブレークアウトセッションBreak-out sessionsUJNR共同研究の進め方についてStrategic planning for cooperative programs

ポスターセッションPosters

日米合同会議および同現地検討会日程(案)

9月15日(月)

成田発ーボストン着,(バスでポーツマス市へ)

9月16日(火)-17日(水)

シンポジウム(セッションIIIIIIIV

9月18日(木)

シンポジウム(セッションV,ブレークアウトセッション),事務会議

9月19日(金)

ニューイングランド地方の増養殖施設の視察を中心とした現地検討会に出発。視察先は以下のとおり:

ニューハンプシャー州立大学海洋工学施設,テラピア実験施設,Jackson汽水域研究所,ニューハンプシャー州立大学調査船による沿岸視察,スパイニークリーク牡蠣養殖場,グレートベイ養殖場,Sea Coast Science Center,ニューハンプシャー州立大学沿岸域研究所,マス養殖場,(メイン州フリーポート市からバーハーバー市へ),Swan's島タラ孵化場,(メイン州イーストポート市へ),サケ・海苔ほかの養殖場,ワシントン郡職業技術センターのハリバットプロジェクト,(メイン州ダマリスコット市へ),メイン州立大学ダーリン海洋センター,ドッジ湾牡蠣養殖場,ブースベイ漁港,メイン州立海洋資源研究所,(ボストン市へ),ニューイングランド水族館,「海面養殖プロジェクトに関する意見交換会」,(マサチュセッツ州ケープコッド市へ),ウッズホール海洋生物研究所Marine Facilities Center,ウッズホール海洋研究所,ケープコッド貝類養殖場

9月26日(金)

(ボストンへ移動),午後:ボストン市Logan空港発(機内泊)

9月27日(土)成田着


現在、UJNR*水産増養殖専門部会の部会長は、養殖研所長が務めており、養殖研に事務局がおかれている。部会では、日米交互に毎年、合同会議(事務会議、シンポジウムおよび視察旅行)を開催している。昨年、米国テキサス州で開催された第24回合同会議については、中島事務局員(病原生物研室長)が、養殖研ニュースの前号で報告した。ここでは、部会の概要と、第24回会議以降の活動、それに今秋に予定されている第25回合同会議の内容等を紹介しておきたい。 

1.平成8年度専門部会の運営体制

 専門部会は、部会国内委員会により運営されており、委員会で採択された活動方針に基づいて事務局が事務作業を進めている。部会の主な活動は、合同会議の開催、研究者の交流、文献の交換、共同研究の推進、プロシーディングスの刊行等であるが、近年は、より実質的な成果を得るため、共同研究が重視されるようになってきている。国内委員は1年毎に各関係機関から選任される。今年度、部会の運営体制は以下のとおりで、新たに国際農林水産業研究センター(JIRCAS)水産部より国内委員を迎えることになった。

 なお、米国側部会長は、現在、商務省海洋大気局 (NOAA) 所管の National Sea Grant Program水産増養殖部門のDr.James P.McVey部長が務めており、諸活動は商務省傘下の水産研究所および前記プログラムにより研究活動を展開している大学の水産関係部門等により支えられている。

平成8年度 UJNR水産増養殖専門部会

日本側委員名簿

    部 会 長  畔田 正格 養殖研究所長

    副 部 会 長 嶋津 靖彦 水産庁研究部参事官

    国 内 委 員 安藤  忠 北水研浅海育種研

鈴木 敏之 東北水研増殖漁場研

伊藤 文成 中央水研漁場環境研

吉田 吾郎 南西水研藻類増殖研

松本 才絵 西海水研増殖漁場研

梶原 直人 日水研介類増殖研

石田 行正 遠洋水研さけ・ます管理研室長

日向野純也 水工研水産土木部環境分析研

真山  紘 北海道さけ・ますふ化場生態研室長

マーシー・ニコル・ワイルダー 国際農林水産業研究センター水産部

中添 純一 水産庁研究課研究管理官

    事 務 局 長 浮  永久 養殖研繁殖生理部長

    事務局次長 乙竹  充 養殖研国際協力研究官(研究者交流)

    事 務 局 員  高柳 和史 養殖環境動態研室長(出版物)

           中島 員洋 養殖研病原生物研室長(共同研究)

           鈴木  徹 養殖研代謝研室長(文献交換)

( )内は担当事務

US-Japan Conference on Development and Utilization of Natural Resources

(天然資源の開発利用に関する日米会議)。科学技術庁科学技術振興局国際課主幹、17の専門部会と1つの調整委員会(海洋資源工学調整委員会MRECC)で構成。

2.二国間(日米、日仏)協力に係る共同研究打合せ会議および現地調査

 昨年度の日米合同会議で、米国側より日本と共同してヒラメの種苗放流実験(種苗放流によるヒラメ資源加入機構の実験生態学的解明)を計画していることが紹介された。このプロジェクトは、米国側はノースキャロライナ州立大学動物学部門のJohn Miller教授、日本側は京都大学農学部の田中 克教授を中心に進められているもので、その後、平成8年1月19-20日のMcVey部会長の来所時の協議等により、日米双方ともUJNRの共同研究課題として支援していく方向で検討が始められた。早速、5月21日には京都大学で共同研究打合せ会議が開かれ、前期両教授、畔田部会長をはじめ日米の関係研究者数名が参集して、今後の進め方が協議されている。日本側部会としては、これから適当な研究予算の獲得等が仕事になる。

 ところで、繁殖生理部長は、日仏科学技術協力協定「海洋開発専門部会」の共同プロジェクト「マリンバイオテクノロジー」の養殖研コンタクトパーソンを務めている。今年2月に東京で開催された第15回前記専門部会で、フランス側は、「増養殖活動による沿岸漁場の総合開発」、「海産二枚貝類遺伝形質のバイオテクノロジーによる改良」等を含む5つの課題について日本側の協力を求めてきた。以上のいきさつにより、今回、二国間協力関連の共同研究課題提案の背景を把握し、今後の対応の参考とするため、米仏両国の提案者を訪ね、打合せ会議を持ち、併せて現地を視察したので報告しておきたい。

出張者は、UJNR関係者を中心とする5名(養殖研:小職、鈴木 徹代謝研室長、船越将二栄養代謝部長、中央水研:石田典子国際協力研究官、南西水研:内田卓志海況動態研室長)である。米国では、NOAA本部(ワシントンDC近郊)で打合せ会議(4月9日)をもち、また、McVey部会長が今回の機会を捉えて特別に開催したノースキャロライナ大学におけるヒラメ共同研究検討会(4月10)に参加して、打合せと情報収集を行った。近年、米国東海岸では、スズキ類Striped bassの種苗生産技術を発展させ、養殖企業化に成功してきた。一方、沿岸の異体類等は漁獲過剰で、資源水準が低下し問題となっている。環境の保全への配慮から、沿岸水域での魚類養殖の導入は制限されている。以上のような背景から、水産関係者は、スズキ類の次に重点的に取り組む魚種として、ヒラメ類(ヒラメ属のsummer floundersouthern f.がいる)を選択し、種苗放流による半閉鎖水域のチェサピーク湾やナラガンセット湾の漁業振興を模索している。McVey部会長は、彼の持つプロジェクト予算(10億円)を、今後、重点的にヒラメ栽培漁業の開発に向けた放流試験等に振り向ける意向である。上記検討会には、ヒラメへの関心の高さから、大学、水研等の課題担当希望者10名が各自の専門や計画を紹介し、参会者も20名余と盛会であった。ヒラメの共同研究がうまく運べば、日本は米国を種苗生産技術の移転等で支援しながら、それぞれのヒラメを対象に、共同して種苗放流が周辺の生物群集に与える影響、天然個体群への遺伝的影響等、種苗放流行為の生態学的評価について理解を深めることが出来るはずである。それらの成果は、1999年秋季の第4回国際異体類生態シンポジウムで発表される予定となっている。なお、訪問先の情報提供等の好意に報いるため同行の皆さんは、NOAA本部及び、その後訪問したウッズホール海洋研究所で、それぞれ各自の研究内容を紹介して、好評を得ていた。

 フランスでは、IFREMER国立水産研究所本部とそのブランチを訪問し、前述の課題提案者の一人Dr.Jean-Claude Dao氏ほかに面接し、また、実際の牡蠣養殖場等を視察した。共同研究課題提案の背景には、牡蠣の大量斃死問題があり、耐病性の強い品種の育成を模索していることが判った。今回の出張については、同行の内田室長が、「南西水研ニュースNo.60(1996.6)」に報告を寄せられているので併せてご覧頂き

たい。

3.第25回日米合同会議について

 水産増養殖専門部会は、1971年東京での第1回会議以降、1973年を除いて、毎年、日米交互に合同会議を開催してきた。また、第6回以降は、5ヶ年計画のもとに独自のシンポジウムを併催し、その成果はプロシーディングスとして刊行している(これまでの刊行リストを資料として別添した)。会議は、伊勢市または京都市で開催するのが通例であったが、第25回は、新たな5ヶ年計画を立案する節目にあたること、また、新たな年次計画を立案するに際し、生物の多様性条約等を背景にした最近の問題を議論しておく必要があり、そのため行政部局からの参会を期待したいこと等から、中央での開催希望が強かった。幸い中央水研(原 武史所長)の協力が得られ、第25回合同会議(事務会議およびシンポジウム)は、今秋101617日の両日、中央水研で開催の運びとなった。シンポジウムの主題は国内委員かで協議の結果「水産増養殖と生物の多様性ー持続的発展を目指して」と決まり、部会長の思い入れを強く反映したものとなった。話題提供を募集した結果、日米とも産・官・学から各15課題が寄せられた。シンポジウムの開催趣旨と、5つのセッションからなる課題構成は下記のとおりである。なお、関心のある方のご参会を歓迎するが、会場の収容数(100)に限界があるため、ご希望の方は事前に事務局までご連絡を頂くと有り難い。

 合同会議の視察旅行は、米国側の関心が高い「ヒラメ栽培漁業」を中心に企画した。海洋科学技術センタ−(JAMSTEC)()日本栽培漁業協会南伊豆事業場、電力中央研究所、水産工学研究所、茨城県栽培漁業センター、()マルハ中央研究所、JIRCAS等を訪問し、ヒラメをはじめとする魚介類の種苗生産と関連研究の現場を視察する。併せて、JAMSTEC及び茨城県栽培漁業センターでは、訪問先の他、神奈川県水産総合研究所、茨城県水産試験場等の協力を得て、ヒラメ等の栽培漁業の推進状況と今後について意見交換会を開催する。これらにより、わが国のヒラメをめぐる栽培漁業の現状について米国側の理解が深まるものと思われる。視察旅行の立案に際し、視察等で便宜供与を頂く関係機関に感謝申し上げる。

昨年の第24回合同会議には、日本側は農林水産省経済局、科技庁科学技術振興調整費等の外国旅費を頂戴し、合計25名の使節団を送り込ませて頂いた。今回、米国側は22名の使節団で乗り込んで来る予定で、いずれも本部会史上最大の規模となる。これまでも本部会は、その活動を通じて、研究技術情報の交換、若手研究者の育成等、水産増養殖分野の国際交流に大きな役割を果たしてきたが、このように交流のパイプを一層広くして頂いた関係部局の配慮に報いるためにも、規模だけでなく豊かな実として稔るようさらに努力して行きたい。

25UJNR水産増養殖専門部会

日米合同会議シンポジウム

水産増養殖と生物の多様性ー持続的発展を目指して

1996年10月16-17日 中央水産研究所(横浜市)

 世界人口が加速度的に増大を続ける中で、タンパク供給源としての漁業の役割に注目が集まっている。特に、すでに漁獲限界に達していると考えられている漁業生産に比べ、増養殖生産には現在の生産量を倍増しうる潜在力があると予測されており、その発展に大きな期待がかけられている。一方、持続的発展を基本理念とする環境問題が世界的な関心事となり、その基盤である生物の多様性の保護が大きな課題となっている。水産増養殖生産の持続的発展を考える場合、()育種素材としてはもとより、環境変化に対する抵抗力や繁殖能力を維持するための遺伝子レベルの多様性、()未知の可能性を秘めた生物資源として、また、健全で肥沃な生態系を構築するための種レベルの多様性、()藻場、干潟等増養殖生産や多様な種の生存を保障するための生態系レベルの多様性の3つのレベルでの解析がその前提となる。

 そこで、世界の食糧問題と環境問題を視野におきつつ、自然環境や社会環境の異なる日米の水産増養殖生産の持続的発展を図る上での諸問題を3つのレベルの生物の多様性の視点から幅広く論議し、今後の研究の課題と方向性を探る。

開会の挨拶(開催趣旨)              畔田正格日本側部会長

セッションT 増養殖漁場に関する諸問題

1 赤潮に伴う植物プランクトン多様性の変動     内田卓志(南西水研)

2 環境中の雌性ホルモンほかの内分泌系阻害物質が魚類に及ぼす潜在的脅威

                      Howard Bern(カリフォルニア州立大)

3 マクロベントスの種多様性に及ぼす海面養殖の影響  横山 寿(養殖研)

4 貝類増養殖の地域生態系への影響       Bruce Barber(メイン州立大)

5 干潟域における異なる食物連鎖の存在と浄化機能 佐々木克之(中央水研)

セッションU 養殖生産及び遺伝資源の保全に関する諸問題

1 魚貝類の選抜・交雑育種の現状            和田克彦(養殖研)

2 米国西部におけるサケ類遺伝資源保全のための漁獲集団の活用

                   Mike Schiewe (国立北西水産研究所)

3 バイオテクノロジーを応用した希少種の保存    小野里 坦(信州大)

  1. 太平洋サケの遺伝資源保全のための単位集団と米国における絶滅危惧種

  対策                Robin Waples(国立北西水産研究所)

5 染色体操作によるヒラメの育種研究の現状と問題点 田畑和男(兵庫水試)

6 養殖魚としての外来種の導入            藤井一則(養殖研)

7 ニューハンプシャー州における潜水式沖合養殖の発展

                     Barbaros Celikkol(ニューハンプシャー大)

セッションV 増殖生産に関する諸問題ー1

1 高変異性DNAマーカーによって検出されたマダイ人工種苗の遺伝的変化

                           谷口順彦(高知大)

2 天然魚と人工種苗の遺伝的特性の違いについて

                  藤井徹生(日水研)゜,西田 睦(福井県大)

3 種苗放流が天然魚に与える遺伝的影響      井口恵一朗(中央水研)

  1. 海産生物の餌料消費量、栄養状態及び生息場所要求を推定するための生体

  エネルギー論的手法の活用              A.J.Paul(アラスカ大)

5 サケ類の資源培養における汽水域での被食の影響

                 Conrad Mahnken(国立マンチェスター水産研究所)

6 種苗の質・行動特性と放流効果          塚本勝巳(東大海洋研)

7 Summer flounder,Paralichtys dentatus,放流種苗の効果的追跡手法

           Christopher G.Duffy゜,George C.Nardi(グレートベイ養殖場)

8 Atlantic codの集団構造、シープスコット湾系群の分布及び移動様式

         Herbert C.PerkinsStanley B.ChenowethRichard W.Langton

                           (メイン州海洋資源局)

9 種苗放流の効果と環境への影響を予測するための生理生態学的モデル

                       John Miller(ノースカロライナ州立大)

10 日本海におけるヒラメの集団構造と種苗放流      田中 克(京大)

セッションW 増殖生産に関する諸問題ー2

1 サウスカロライナ州におけるRed drumの実験的種苗放流

         Theodore I.J.Smith゜,Wallace E.JenkinsMichael R.Denson

                      (サウスカロライナ州海洋資源研究所)

2 ハワイ州における海産魚の種苗放流    Cheng Sheng Lee(海洋研究所)

3 外来種導入と生態攪乱              細谷和海(中央水研)

4 太平洋サケ漁業は豊漁で危機?   William Heard(国立オークベイ水産研究所)

5 海産魚の種苗放流ーその実行計画   Robert R.Stickney(テキサス農業海洋大学)

6 水産バイオテクノロジー関係施策について   松本憲二(水産庁研究課)

7 保全型収穫技術ー増養殖研究者と漁業技術研究者の共通領域とは?

                Frank Chopin゜,井上喜洋、松下吉樹(水工研)

8 NOAA図書館の生物多様性と水産増養殖に関する主要情報源

                      Carol B.Watts(NOAA図書館)

セッションX 総合討論

閉会の挨拶                  Jim P.McVey米国側部会長

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(資料)

UJNR水産増養殖専門部会プロシ−ディングスの刊行リスト

UJNR水産増養殖専門部会の出版活動の概要

 当部会は、第6回日米合同会議(1977年)以降、事務会議とともにシンポジウムを開催している。シンポジウムは、日米両国の水産増養殖技術に関わる研究情報の交流と研究問題に対する相互理解を深めることを趣旨としている。シンポジウムの主題は、時代のニーズを反映したものを取り上げ、五ヶ年計画として立案しているが、必要に応じて変更するなど、柔軟な運営を行っている。シンポジウムの内容は、成果の公表と活用のためにプロシーディングスとして刊行している。

編者の後は所載論文数(括弧内は日本側内数)

第1回会議(Oct.18-19,1971,Tokyo

NOAA Technical Report NMFS CIRC-388,Feb.1974,133pp.

Proceedings of the First U.S.-Japan Meeting on Aquaculture at Tokyo, Japan October 18-19,1971」(日米の水産増養殖の現状に関する総括的報告)Editor: William N.Shaw                17課題(日5)

第2回会議(Oct.27,1972,Seattle,Washington

事務会議のみ(日米の水産増養殖の現状に関する総括的報告)

第3回会議(Oct.15-16,1974,Tokyo

Special Publication of Fishery Agency, Japanese Government & Japan Sea Regional Fisheries Research Laboratory, Oct.1975, 124pp.

Proceedings of the Third U.S.-Japan Meeting on Aquaculture at Tokyo, Jap an October 15-16,1974」(魚病シンポジウムと共催)

Chairmen: Atsushi Furukawa & William N.Shaw         14課題(日8)

第4回会議(Oct.16,1975,Lewes/Rehoboth,Delaware

College of Marine Studies,University of Delaware,Newark,Delaware,DEL-SG-17-76,1976,323pp.

Proceedings of the First International Conference on Aquaculture Nutriti on, October 14-15,1975」(「水産増養殖における栄養と餌料に関する第1回国際 会議」と共催)

Editors: Kent S.Price,Jr., William N.Shaw & Karin S.Danberg 16課題(日5)

第5回会議(June 3,1976,京都)

FAO水産増養殖国際会議(May 26-June 2,1976)論文集I:(205pp.),II(174pp.)&III(152pp.):May,1976,IV(399pp.)&V(316pp.):水産庁,Aug.,1976。同報告書(FAO Fisheries Report No.188),FAO・水産庁,Sept.1977,80pp.

82課題(日18)(FAO水産増養殖国際会議と共催)

第1次5ヶ年計画(19771981)

第6回会議(Aug.27-28,1977,Santa Barbara, California

NOAA Technical Report NMFS CIRC-442,Mar.1982,66pp.

Proceedings of the Sixth U.S.-Japan Meeting on Aquaculture,Santa Barbara, California,August 27-28,1977」(海藻類の増養殖、国際海藻学会と共催)

Editor: Carl J.Sindermann               5課題(日3)

第7回会議(Oct.3-4,1978,Tokyo

NOAA Technical Report NMFS 10,Aug.1984,31pp.

Proceedings of the Seventh U.S.-Japan Meeting on Aquaculture,Marine Finfish Culture,Tokyo,Japan,October 3-4,1978」(海産魚類の増養殖)

Editor: Carl J.Sindermann 6課題(日4)

第8回会議(Oct.17-18,1979,Bellingham,Washington

NOAA Technical Report NMFS CIRC-447,Nov.1982,25pp.

Proceedings of the Eighth U.S.-Japan Meeting on Aquaculture at Bellingha m, Washington,October 17-18,1979」(淡水魚類の養殖)

 Editor: William N.Shaw 6課題(日1)

第9回(May 26-27,1980,京都)&第10回(Oct.27,1981,Lewes,Delaware

NOAA Technical Report NMFS 16,Nov.1984,92pp.

Proceedings of the Ninth and Tenth U.S.-Japan Meetings on Aquaculture

(第9回:甲殻類の増養殖、第10回:貝類の増養殖)

Editor: Carl J.Sindermann 第9回:7課題(日4)、第10回:4課題(日4)

第2次5ヶ年計画(19821986)

11回(Oct.19-20,1982,東京)

NOAA Technical Report NMFS 27,1985,102pp.

Proceedings of the Eleventh U.S.-Japan Meeting on Aquaculture, Salmon

Enhancement,Tokyo,Japan,October 19-20,1982」(サケ・マス増養殖の強化)

Editor: Carl J.Sindermann 15課題(日8)

12回(Oct.19-20,1982,Baton Rouge,Luisiana

NOAA Technical Report NMFS 47,1987,73pp.

Reproduction,Maturation,and Seed Production of Cultured Species/Proceedi ngs of the Twelfth U.S.-Japan Meeting on Aquaculture, Baton Rouge, Luisia na, October 25-29,1983」(成熟・繁殖および種苗生産)

Editor: Carl J.Sindermann 13課題(日4)

13回(Oct.24-25,1984,伊勢)

NOAA Technical Report NMFS 69,1988,50pp.

Environmental Quality and Aquaculture Systems/Proceedings of the Thirte enth U.S.-Japan Meeting on Aquaculture,Mie,Japan,October 24-25,1984」(水産増養殖における環境問題)

Editor: Carl J.Sindermann 7課題(日7)

14回会議(Oct.16-17,1985,Woods Hole,Massachusetts

NOAA Technical Report NMFS 70,Nov.1988,69pp.

New and Innovative Advances in Biology/Engineering with Potential for Us e in Aquaculture/Proceedings of the Fourteenth U.S.-Japan Meeting on Aqua culture, Woods Hole,Massachusetts,October 16-17,1985」(水産増養殖におけ る最新技術)

 Editor: Albert K.Sparks 15課題(日8)

15回会議(Oct.22-23,1986,京都)

NOAA Technical Report NMFS 85,1990,127PP.

Marine Farming and Enhancement/Proceedings of the Fifteenth U.S.-Japan M eeting on Aquaculture,Kyoto,Japan October 22-23,1986」(沿岸域における水 産増養殖の強化)

Editor: Albert K.Sparks 18課題(日9)

第3次5ヶ年計画(19871991)

16回会議(Oct.20-21,1987,Charleston,South Carolina

NOAA Technical Report NMFS 92,Nov.1990,81pp.

Genetics in Aquaculture/Proceedings of the Sixteenth U.S.-Japan Meeting on Aquaculture,Charleston,South Carolina,October 20 and 21,1987」(水産増 養殖における遺伝、育種学研究」

Editor:Ralph S.Svrjcek 13課題(日4)

17回会議(Oct.16-18,1988,伊勢)

NOAA Technical Report NMFS 102,May 1991,180pp.

Marine Ranching/Proceedings of the Seventeenth U.S.-Japan Meeting on

Aquaculture,Ise,Mie Prefecture,Japan,October 16,17,and 18,1988」(マリー ンランチング)

Editor: Ralph S.Svrjcek 23課題(日15

17回会議(Oct.16-18,1988,伊勢)

「第17UJNR水産増養殖専門部会シンポジウム報告集」

農林水産技術会議大型別枠研究「マリーンランチング計画」英文レポート

農林水産技術会議事務局・水産庁・養殖研、平成元年2月、407pp.

Editor: Kohji Wada 21課題(日21

18回会議(Sept.18-19,1989,Port Ludlow,Washington

NOAA Technical Report NMFS 106,Feb.1992,136pp.

Marine Ranching/Proceedings of the Eighteenth U.S.-Japan Meeting on

Aquaculture Port Ludlow,Washington 18-19,September 1989」(水産増養殖にお ける繁殖生理)

Editor: Ralph S.Svrjcek 19課題(日11

19回会議(Oct.29-30,1990,伊勢)

NOAA Technical Report NMFS 111,Oct.1992,143pp.

Control of Disease in Aquaculture/Proceedigs of the Nineteenth U.S.-Japa n Meeting on Aquaculture,Ise,Mie Prefecture,Japan 29-30,October 1990

(魚類の疾病)

Editor: Ralph S.Svrjcek 22課題(日14

20回会議(Oct.28-30,1991,Newport,Oregon

NOAA,124pp.,Mar.1993

Proceedings of the Twentieth U.S.-Japan Symposium on Aquaculture Nutriti on」(魚類の栄養)

Editors: Marcia R.Collie and James P.McVey 14課題(日5)

第4次5ヶ年計画(19921996)

21回会議(Nov.26-27,1992 京都)

Bull.National Res.Institute of Aquaculture,Supplement No.1,May 1994,156pp.

Environmental Management in Aquaculture/Proceedings of the Twenty-first U.S.-Japan

Meeting on Aquaculture Kyoto,Japan,November 26 and 27,1992」(水産増養殖 における環境管理)        

Editors:Kunizo Tanaka,Kooichi Konishi,James P.McVey & Marcia R.Collie

  22課題(日13

22回会議(Aug.21-22,1993,Homer,Alaska)

Alaska Sea Grant Report AK-SG-95-03,1995,77pp.

Interactions between Cultured Species and Naturally Occurring Species in the Environment/Proceedings of the Twenty-Second U.S.-Japan Aquaculture P anel Symposium」(環境中における放流魚と天然魚との相互作用)

Editors: Marcia R.Collie & James P.McVey 12課題(日4)

23回会議(Nov.17-18,1994,伊勢,November 21,1994,新潟)

Bull.National Res.Institute of Aquaculture,Supplement No.2,March 1996,121pp.

Biological Control and Improvement of Salmon and Advanced Concept of the

Technology for Aquacluture」(サケ・マス類の生物学的統御) 

Editors: Masanori Azeta,Kazumi Hosoya,James P.McVey,Paul Kilho Park & B. Jane Keller 21課題(日13

24回会議(Oct.9-10,1995 Corpus Christi,Texas)(編集中)

Water Quality and AquacultureWater Effluent and Quality as Pertains to

 Finfish and Shrimp Aquaculture」(水産増養殖と水質・環境ー特に魚類・エビ 類養殖場からの排水とその水質問題) 25課題(日14

25回会議(Oct.16-17,1996 横浜)

(養殖研研報増刊3号として1997年刊行予定)

Biodiversity and AquacultureSustainable Development」(水産増養殖と生物 の多様性ー持続的発展を目指して) 30課題(日15

第5次5ヶ年計画(19972001)()

26回会議 水産生物の遺伝特性と優良品種の作出(1997, New Orleans, Louisiana

27回会議 魚介類の成熟および発生生理と健苗生産 (1998,日本)

28回会議 魚介類の栄養代謝生理と養殖技術の高度化(1999,米国)

29回会議 魚介類の病原生物の特性と病害防除 (2001,日本)

30回会議 水産生物の生態特性と資源増強 (2001,米国)