第34回UJNR水産増養殖専門部会日米合同会議議事録

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 第34回UJNR水産増養殖専門部会日米合同会議は、平成17年11月6日(日)、米国カリフォルニア州サンディエゴ市のHubbs-Sea World研究所において開催された。まず始めに、James P. McVey部会長と酒井保次部会長より開会の辞が述べられるともに、両国参加者の紹介が行われた。McVey米国部会長より、今回のサンディエゴ市での会議への参加者に対し歓迎と感謝の意が表明された。またその中で、McVey米国側部会長はこの良好な関係が両者に非常に多くのさまざまな機会をもたらしたことを特に強調した。一例として、2005年4月にハワイで開催された「生態系管理における養殖の役割」に関する多国間会議への日本側の参加者派遣に対して謝意が示された。同会議は非常な成功裏に終了し、McVey米国側部会長は日本側出席者のシナリオ作成への貢献にあらためて感謝の意を述べた。それに付け加え、McVey米国側部会長は、米国政府がこの会議の内容を受け、現在沖合養殖技術の導入を推進するための法案を議会に提出する準備を進めていることに言及した。McVey米国側部会長はUJNR水産増養殖専門部会が、この法案に至る草案の枠組み作りに大きく貢献したことを特に強調した。さらに、McVey米国側部会長は、この法案が米国で大きな論議を巻き起こすと期待していることを述べた。
McVey米国側部会長はまた、20年にわたってUJNR部会と関わり、13年間米国側部会長を務めてきたことについて、個人的にも楽しんできたことを述懐した。彼は酒井保次日本側部会長に対し、過去三年間共に果たした部会長としてのリーダーシップに対しての謝意を述べた。McVey米国側部会長は、来年度からの新たな米国側部会長としてRobert Iwamoto博士が、また副部会長としてMichael Rust博士が就任することを発表した。そして最後に、McVey米国側部会長は今一度、生態系に基づく管理技術に関する米国の研究戦略への情報提供について日本側部会に対し謝意を述べた。
酒井保次日本側部会長は米国側部会に対し、二年前にもUJNRで当地域を訪れる機会があったが、再びフレンドリーで太陽輝く南カリフォルニアへ招待されたことに謝意を示した。酒井部会長は、当会議が実りの多い素晴らしいものとなるよう望んでいることを述べた。また、酒井部会長は、本年米国を襲ったハリケーンの被害者に対する見舞いを述べた。酒井部会長は、今年開催された「生態系管理における養殖の役割」に関する多国間会議を主催した米国側に対し謝意を表した。酒井部会長は、水産増養殖専門部会における日米間の活動は大変活発であり、多くの期待がこの部会に対し寄せられている事を強調し、本UJNR専門部会が日米両国の水産増養殖研究に多大に貢献をもたらすことが期待できると述べた。酒井部会長は、日本側参加者の紹介に際し、今回数人の若手研究者が含まれていることを強調した。彼は、UJNR専門部会が、次世代の水産増養殖に関わる若手専門家を養成して行くことに焦点を当てるよう奨励した。最後に、酒井部会長は、今回のシンポジウムがすべての参加者の強い協力と友情関係の下、すばらしいものになることを期待すると述べた。
議事進行について日米双方によって合意された。Jim Sullivan博士と生田和正博士が、昨年度における研究交流の概要について報告した。その中でSullivan博士は、参加者に対し過去の交流事業を振り返ることを薦め、いくつかの交流については双方いずれの活動にすべきか振り分けに困るものである程、交流が強固であることを強調した。生田和正博士は昨年度の日本側研究者の米国訪問は7件あり、また7件の異なる協力交流活動がもたれたことを報告した。
生田和正博士は日本側の文献交換に関する報告を行った。生田博士は201編の水産増養殖に関わる日本側の文献リストを提示し、それらが電子化処理可能であることを述べた。McVey部会長は米国側の文献交換の報告を行い、41編の手に入り難い文献の別刷りを日本側に提供した。McVey部会長は、米国側としても将来的に電子化された文献を提供する予定であると述べた。
日米両専門部会はプロシーディング集出版に関する現状について討議を行った。米国側は第32回水産増養殖専門部会シンポジウムプロシーディング集の印刷出版がすでに完了しており、参加者は配布された一部を持ち帰って欲しいと発言した。日本側は年度予算執行の都合上、第33回のプロシーディング集は来年度に出版されると報告した。日本側は米国側に対し、それらの原稿の英語の校閲を依頼した。
総合討論において、まず両国側は、現行の5カ年計画は順調に進行中であることに合意した。
過去の協議事項に関して、Melanie Caesar事務局長補佐から、昨年米国側からプロシーディング集の査読つき出版の申し入れを行ったことが提示された。米国側は、この案件について日本側と協議を続けてきたが、来年度については査読作業の不必要なもので行うと提案した。また、米国側は、近年学生の交換留学について予算措置を行うことができなかったが、米国側にとって将来的には重要な活動であると考えていると述べた。日本側はそれらに対して同意した。
新規の協議事項に関して、McVey部会長は日本側に対して、計画をより現実に即したものにするため、5カ年間計画を3カ年計画に短縮したい旨申し入れを行った。その申し入れに対し、酒井部会長は同意した。そこで、McVey部会長は次期年次テーマとしていくつかの内容項目を提示した。米国側の提案は、1)漁村地域での水産増養殖に関連する社会、経済、および環境の相互作用、2)未来の代替タンパク源、3)沖合養殖技術、4)軟体動物の増養殖、である。米国側としては、日本側にこれらのテーマを考慮していただき、来年に向けさらに協議を続けて行くことを希望すると述べた。日本側は、米国側のこれらの申し出に対して感謝の意を表した。そして双方、現行の5カ年計画を確実に実施してゆくことを表明しあった。次期年度のこれらの新たなテーマは、いずれについても日本側としても興味深いものであり、とくに漁村地域での水産増養殖に関連する社会、経済、および環境の相互作用に関する研究は、政策的な意味合いにおいても日本側にとって非常に興味深いものであることが述べられた。日本側としても、これらのテーマについて、来年度中に米国側とさらに十分な討議を積み上げて行くこととした。
さらに日米両部会は、過去の文献交換の蔵書等の保存についても協議した。日本側から過去に米国側から送付されてきた交換文献について、その所蔵スペースが不足している旨の現況報告があった。それを受けて日米双方は、将来的には文献交換を電子ファイルとして実施する方向で進めることで合意した。米国側は、全ての文献を電子ファイルで行うのが将来的には最善であるが、ものによっては印刷物を交換場合のあり得るとの意見が示された。また日本側からは、今後プロシ−ディング集の印刷部数を減らして行きたいとの申し出があった。
引き続き、米国側により新たな専門部会員の交代の確認があり、Iwamoto博士が米国側部会長、Rust博士が副会長にそれぞれ就任する旨の発表があった。これは米国側役員の若返りをもたらすものでもある。日本側は、新たな部会員に歓迎の意を表した。日本側からは、日本側部会員は頻繁に交代するが、できるだけ多くの人に専門部会活動に関わる機会を与えていると願いたいと述べられた。
次に、米国側から、将来的なプロシーディング集としては、発表者に要旨集拡大版としての発表オプションも認めたい予定がある旨の発言があった。この要旨集拡大版は、発表者に対し、各人の研究レビューや研究進捗の現状報告の掲載を認めるというものであり、このことは研究手法のインターネット上での迅速な公開を促すものである。日本側から、昨年米国側から発表についてもインターネット上で公開したいとの申し出があったことを指摘した。これに対し米国側は、パワーポイント資料をインターネット上で公開するのにまだ技術上の問題点があるが、米国Sea Grantあるいは他機関の協力によって解決される可能性との返答がなされた。この件に関しては、両国側ともに良い考えであると合意した。
次に日米双方は、近々開催予定の会議についての報告を行った。Ken Leber部会員は米国で開催される第三回栽培漁業国際シンポジウムについての紹介を行った。米国側専門部会のメンバーも開催委員として参加しており、日本側に対しても活発な参加の要請がなされた。これに対し日本側は、日本側参加者の中からも何人か参加する予定であると述べた。
またLinda Chaves部会員からは、来年度開催される海産物と健康に関する国際会議についての紹介があり、ヨーロッパ、カナダ、米国そしてFAO等からの健康と水産の専門家を招き開催される旨の説明があった。
生田事務局長補佐からは、水産総合研究センターが来年横浜で開催されるPICES年次会合を主催し、その中で増養殖に関するトピックセッションが開催されることが紹介された。また、生田補佐は、JSTが行う先端的科学技術に関する国際調査の事前調査に対する、米国側参加者の協力を依頼した。米国側はこの調査票の配布に協力し、回答を11月末までに生田補佐へ送付することを了承した。
最後に、日本側から第35回UJNR水産増養殖専門部会合同会議およびシンポジウムは三重県の水産総合研究センター養殖研究所で開催されることが発表された。
加えて、部会名誉会員のJim Sullivan博士から、McVey現米国側部会長の長年にわたる労をねぎらう感謝の意の表明があった。
協議内容がすべて終了したことをIwamoto米国側新部会長および酒井日本側部会長が合意し、第34回水産増養殖専門部会合同会議は終了した。