Ⅱ. 日本の養殖業の現状と課題-5. 安全・安心を重視する消費者の信頼を得るための取組
 農林水産省が消費者を対象として行った意識・意向調査によれば、消費者が水産物を購入する際に重視する項目として、「鮮度」に次いで、「安全・安心」が上位に挙げられています。消費者に対して、安全で信頼できる水産物を供給するため、生産や加工の工程を適切に管理して安全を確保するとともに、その取組について消費者に分かりやすく情報提供することが重要です。
 養殖水産物の安全確保や養殖環境と漁場の保全を図る観点から、生産・出荷・加工の各工程で危害要因を低減する「養殖生産工程管理手法」(GAP※1手法)の導入や、水産物のロット番号等を用いてその生産履歴の情報を消費者に開示する取組が進んでいます。また、漁業 センサス(2008年)によれば、1,102の水産加工場が製品の付加価値向上や輸出に取り組むため、製品製造工程においてHACCP※2手法を導入しています。

※1 GAP:Good Aquacultural Practice(適正養殖規範)。養殖水産物の生産段階においてどのようなリスクが存在するかを把握し、リスクを最小限に抑える手順を決めて、その手順に従って生産作業を行うこと。
※2 HACCP:Hazard Analysis and Critical Control Point(ハシップ)。原料から最終製品に至るまでの各工程において、予想される危害をあらかじめ分析し、これを軽減又は除去することで衛生・品質管理を行う方式。