U. 日本の養殖業の現状と課題−3. 日本の養殖業における問題−1)海面養殖漁家の漁労所得
海面養殖業の経営状況を対象魚種別にみると、収入、支出ともに規模が大きいブリ、タイ養殖は、漁労所得の変動が大きく、経営が不安定な傾向があります。さらに、近年は、魚粉価格の高騰による飼料価格の上昇が経営に与える影響が懸念されます。他方、無給餌養殖であるカキ、ホタテガイ、ノリ、ワカメ養殖の経営は比較的安定していますが、近年は価格の低下等により、厳しい経営状況となっています。
平成21年の海面養殖漁家の漁労所得は平均で388万円ですが、ブリ養殖漁家で-39万円、タイ養殖漁家で-756万円と赤字となっています。
いっぽう、平成21年の沿岸漁船漁家の1世帯当たり漁労所得は222万円となっています。