2000-2010年における養殖業振興
      に関わる国際的総括-5
  

 中南米:最大の成長率

アマゾン川流域:世界最大の養殖環境
小規模養殖業の潜在的発展性

チリの大西洋サケ養殖がウイルス病で打撃:
この破局からの復興は遅々としてまた難しく、いっそうの研究や優れたガバナンスが必要とされている。

(FAO,2010)

Ⅰ. 世界の養殖業の現状と課題-7. 2000–2010年における養殖業振興に関わる国際的総括-5)中南米地域の総括
中南米について総括すると、1970年から2008年間の養殖業生産量における平均年間成長率は21.1%と地域別では最大の成長率を示しました(同期における中国の成長率は10.4%です)。
 主たる養殖生産国であるブラジル、メキシコ、エクアドル、チリでの発展が
  めざましく、サケ、マス、テラピア、エビ類、貝類の生産量に増加が
  みられました。
 この地域では、商業的大規模養殖業がいまだに支配的ですが、小規模養殖業の
  潜在的発展性について見逃せません。
 世界最大の養殖環境を有し限りない発展性の可能性をひめているアマゾン川
  流域で小規模養殖業が進捗しています。
 このいっぽうで、この地域、とくにチリは大西洋サケの代表的な養殖国家です
  が、大西洋サケおよそ50%がウイルス病(伝染性サケアネミア)の感染を
  うけて歳入が大幅に減少しました。
この破局からの復興は遅々としてまた難しく、いっそうの研究や優れたガバナンスが必要とされています。輸出市場の利用がより困難となり、そこで、小規模業者の販路として地方の市場の活用が促進されています。