平成17年度研究所機関評価会議概要報告

養殖研究所
1 会議の概要

開催日時: 第1回機関評価会議 平成17年7月8日 13:30-14:30
        第2回機関評価会議 平成18年3月8日 13:30-17:00

開催場所: 養殖研究所南勢庁舎 大会議室

出 席者:

  外部委員: 田中 克(京都大学フィールド科学教育研究センター長,第1回)
         稲垣光雄(全国海水養魚協会専務理事,第1回)
         西村守央(三重県科学技術振興センター水産研究部長,第1,2回)
         浜口莞治(三重県漁連常務理事,第1,2回)
  養 殖 研: 酒井所長、
         杜多企連室長、
         中谷総務課長、
         横山生産技術部長、
         生田生産システム部長、
         飯田病害防除部長、
         小西企連科長、
         井上総務係

2 研究課題の評価結果(年度計画第2の1の小課題のS・A・B・Cの個数を記載)

S   13個
A   57個
B    0 個
C     0 個

3 16年度指摘事項等のフォローアップ状況

(1)外部委員の主な意見

大項目

中項目

事項

外部評価委員の主な意見

対応方針と実施状況

第1

    ・研究活動の活性化や若手研究者の気概の育成のためにも研究成果の適切な評価や任期付き任用制度の導入が望ましい。 ・これまでの評価の結果を解析し、より有効な評価システムとなるよう努力する。
・研究プロジェクトでは外部委員による評価・指導によりプロジェクトやチーム全体の協力関係が求められており、有機的に連携しながら研究が行われつつある。
・平成17年5月1日付で病害防除部魚病診断・研修センターで任期付き研究員を採用した。今後も適宜、この制度を有効に使っていきたい。 
第2 3   ・養殖研の基礎的研究を業界・市民など社会に発信し、それらの意見が研究に反映される仕組みが必要。 ・まず業界および関連団体の大会などで研究パネルの展示などを積極的に行うことから始めた。今年度も全内漁連の大会でパネル展示を行った。
・業界および関連団体からの講師派遣依頼には積極的に対応している。
・第2期では推進特別部会のもとに養殖産業部会を設け産業界の方に参加していただく予定である。
・所外からの種々の質問事項への回答、一般公開等でより一層市民の期待に応えたい。今年の一般公開では市民との対話を目指して「おさかなカフェ」を開催した。
第2 3   ・次世代を担う子供達を対象とする啓蒙活動も重要な仕事である。 ・総合学習への協力は積極的に実施している。今年度、子供向けの平易な要覧を作成した。
・小中学校の見学依頼に積極的に対応している。また出張授業も行った。
第1 3   ・KHV診断、実験魚の飼育管理等のルーチンワークでは研究者の負担軽減に努力するべきである。 ・平成17年5月1日付で病害防除部魚病診断・研修センターで任期付き研究員を採用した。
・第2期では診断・研修部門が拡充される。効率的な運用に努める。
・研究者の負担軽減は今後の重要な問題と認識しており、ご指摘の方向で努力して行く。
第2 3   ・DNAチップによる魚病診断の普及やネットワーク上で閲覧できる診断マニュアルの早期完成を期待する。 ・DNAチップについては現場での実例を重ねている段階である。関連企業から実用化に向けた共同研究の申し出がある。
・11月29日に養殖研ホームページに「コイヘルペスウイルス病情報」を掲載した。閲覧は水試等の関係者に限定。
第2 1 (2) ・養殖新法施行にしたがって漁場環境研究が進展している。漁場環境評価では硫化物量やベントスが指標であるが測定の困難さもあるのでより簡便で確実な手法を考えて欲しい。 ・例えば漁場の地形より閉鎖度を示す指数を算出して漁場評価に用いるなど、より現場の実情にあった手法の開発研究を関係機関と連携しながら実施中である。
第2 1 (2) ・遺伝子組み換え魚の研究では、消費者の理解を得ることが同時進行しなければならない。 ・養殖研の研究は目下、基礎研究やカルタヘナ法に基づく組換え魚の取り扱い対策が中心である。

(2)改善方策

大項目

中項目

事項

改善を要する問題点等

すでにとった措置

今後検討するもの
第1     魚病部門をはじめとして課題数や業務量の増加に人員の増加が追いついていない。 任期付き任用者を5月1日付で採用した。 今後も増員に努力する。
第2 1 (2) ウナギの種苗生産研究においてベースとなる仔魚の生産が不安定。

平成17年度より大型プロジェクトを開始。
親魚飼料の研究を実施中。また親魚用調温飼育施設の18年度の改修が認められた。

第1 4 (1) 水産養殖関係試験研究推進特別部会のより効果的活用 ・昨年同様、3部会からなる養殖特別部会を開催した。
・海区ブロック推進会議や 栽培ブロック会議等へ研 究管理職員等を派遣し協 議に参加。
第2期では部会の構成を大きく変え、養殖産業部会と増養殖連絡会および魚病部会の3部会体制で増養殖特別部会を構成する。
第1 4 (1) 研究の連携の推進 ・18年度より従来の東京海洋大学に加えて三重大学とも連携大学院を実施する。
・本年度よりオープンラボ(海外伝染病研究棟,隔離飼育実験棟,魚病診断研修施設実習室)を発足させた。
今後も必要に応じて研究の連携を図る。
第2 4 (2) ホームページの内容の充実を図ること。 HPの確実な更新及び内容の一層の充実のため、@我が国の養殖業についてA養殖研ギャラリーB依頼研究員制度Cオープンラボのページを新設した。 HPの確実な更新及び内容の一層の充実を図る。

※B又はC評価となったものを中心に(B,C以外でも)、自ら改善すべき考える事項について記載。


4 17年度指摘事項等

 (1) 外部評価委員の主な意見と対応方針等

大項目

中項目

事項

外部評価委員の主な意見

対応方針と実施状況

第1 3 (3) 現地調査を外部委託している例があった。外部委託に際して、より安くということで、技術の高い会社を選定しにくくなっているが、どのように対策をとるのか。 仕様書を詳細に書き、必要な技術をはっきり指定することで対応する。
第1 3 (1) 予算の制約がある中で、施設の修繕や更新をうまく行っていくことが必要であり、努力をお願いしたい。 水研センターとして新規施設だけではなく、施設の維持・更新にも必要な予算をつけるよう要望している。
第2 3 (1) ホームページの運営を企連室だけで行うのではなく、他の職員の関与を増やすことで、意識向上が図られるのではないか。 情報の提供や解説の執筆など他の職員の関与を増やすよう努める。
第2 3 (5) ジーンバンク事業について昨今の水産情勢を考えた場合,地域特産種(ヒジキ)は重要であるが,これについて加えることは可能か? ジーンバンク事業では育種素材としての育成品種・系統、実験系統等を維持している。ヒジキの産業上の重要性はあるが、育種研究の背景が乏しいことから現状では対象とはしていない。
第2

 

3 (5) ジーンバンクの配布規定に関連して,海外との競合関係の中で,どの程度優良株のデータをHP等で開示して行く考えか?農業での先例を参考にして有効なやり方が行われることを望む。 水産庁等と協議しながら、適切な運用を図ることとしたい。
第3 1   運営費交付金等が毎年減額されて行くことに問題はないか? 事業費他競争的資金の獲得により交付金だけに頼らない体質を目指す方向で考えている。
第2 1 (2) 水産業・漁村の多面的機能普及啓発推進委託事業について,負の機能も含めて評価するという今回の研究手法で十分な成果が得られるのか? 水産業・漁村のもつ物質循環機能を正確に評価するには、藻類養殖や貝類養殖等による栄養塩除去機能に加え、給餌養殖による環境負荷を負の機能として算入し、総合的に評価する必要がある。本事業では、負の機能の科学的・客観的な評価手法を開発しており、中央水研水産経済部と連係して多面的機能の社会経済学的評価手法の精度向上に反映させること目標としている。
第2 1 (2) ウナギ・イセエビのプロジェクトの展望はどうか?産業上は出口が必要であるが,今回は技術開発が目的か? 困難ではあるが,息の長い研究が必要である。本プロジェクトでは幼生の生残率を向上させることを目標として、技術開発に関する研究を実施している。
第2 1 (1) カツオ・マグロ漁業が極めて厳しい状態にあり、遠洋漁業が衰退するのではとの懸念がある。この情勢の中で国の遠洋漁業への取り組みが不十分になっていくのではないかと危惧している。国としてどう取り組むのか。 水研センターとしては遠洋研が対応している。遠洋研は一部が横浜に移転するが、カツオ・マグロの対応部署は清水に残る。
第1     運営の効率化は大事ではあるが、あまりそれにこだわると、ゆとりがなくなり研究の幅が狭められる心配がある。人があっての研究なので職員の健康面での管理も必要なので気を配って頂きたい。 職員が明るい雰囲気でのびのびと創造的な仕事ができるような職場作りに努める。
第1     雇用は維持しながら、適切な人員配置を行うことが、産業に貢献する研究成果を生み出すことにつながる。 研究業務の効率化に努めるとともに、グループ制の利点を生かし、各課題に適切な人員が配置できるよう努力する。

(2) 評価結果の反映方法(すでにとられた措置と今後予定している措置に分けて記載)

大項目

中項目

事項

改善を要する問題点等

すでにとった措置

今後検討するもの
第1     第1期は予定通り進んで第2期に入るので全体としては順調に進行したと評価できる。研究成果も着実にあがっているが、この成果を産業界や国民に理解してもらうためにさらなる努力が必要。   引き続き研究成果を上げることに努める。さらにその成果について産業界や国民に理解してもらいやすい方策を心がける。また一般市民に対する広報活動にも力を入れる。
第1     厳しい社会情勢から、組織の再編はさけられない。第1期中にも組織再編があったが,この経験を生かして第2期の組織再編に当たってもらいたい。今後の計画達成に向けて,施設・機構を含めて管理部門の範囲が大きくなるので,より効率的な取り組みを目指して頂きたい。   第2期では企画部門と総務部門が融合する。縦割りの弊害の少ないフラットでより一層、効率的な組織運営となるよう努める。

5 その他(所感、問題点等)

 今年度の機関評価会議は、平成17年7月および平成18年3月の2回に分けて行った。7月の会議では新しい施設(魚病診断・研修施設)を始め、ウナギに関する研究現場などを視察していただいた。これは委員の方々の養殖研の研究業務への理解を深めた。また十分な検討時間を確保し、業務の効率化についても外部からの目線でご指摘をいただけた。特にご指摘いただいた研究成果の一般市民への積極的な公表については、秋の一般公開の際に一般市民を対象として「おさかなカフェ」等を取り入れることにつながった。

3月の会議では昨年に引き続き、資料の簡素化、資料概要の添付、パワーポイントを用いたプレゼン等、外部評価委員の先生方がわかりやすい機関評価会議運営を行うように努めた。その結果先生方の理解が深まり、活発な討論が実施できた。また第2期の養殖研の研究方向についてもご報告し、有益な意見をいただいた。これらのご意見を第2期における研究業務推進に役立てていきたい。