平成15年度研究所機関評価会議概要報告

養殖研究所
1 会議の概要

開催日時: 平成16年3月19日 14:00〜17:30

開催場所: 伊勢シティホテル

出 席者:

  外部委員: 田中 克(京都大学フィールド科学教育研究センター長)
         稲垣光雄(全国海水養魚協会専務理事)
         西村守央(三重県科学技術振興センター水産研究部長)
         浜口莞治(三重県漁連常務理事)
  養 殖 研: 酒井所長、
         中添企連室長、
         山田総務課長、
         秋山生産技術部長、
         平川生産システム部長、
         飯田病害防除部長、
         杉山日光支所長、
         事務局員3名

2 研究課題の評価結果(年度計画第2の1の小課題のS・A・B・Cの個数を記載。括弧内は平成14年度)

S   18課題(12)
A   40課題(48)
B    2課題( 6)
C    0課題( 0)

3 14年度指摘事項等のフォローアップ状況

(1)外部委員の主な意見

外部評価委員の主な意見 対応方針と実施状況
1.研究の出口も大切であるが,現実の問題に向き合って成果を上げて欲しいとの意見。  推進会議下部機関としての部会機能強化を検討した。
・育種部会では作出成果の権利確保の重要性が認識され,各機関の協力を得ながら検討する組織化をはかる。
・養殖基盤部会では親魚飼料の開発研究の必要性が認識され、情報交換のための組織化をはかる。
・魚病部会では新たなニーズに対応するため、従来の研究会に加え「KHV研究会」を設立することとした。
2.海面養殖業における外来種についての基礎研究を充実させて欲しいとの意見。 現在は識別技術開発が緊急の課題と認識している。具体的にはシジミ及びアコヤガイにて実施中。
具体的魚種が絞り込まれた段階で、具体的な対応について検討したい。
3.研究者の流動性についてどう考えているのかとの指摘。  ・平成15年度に国立大から1名迎え入
・平成15年度には1名大学に出向し、1名を文科省研究所から1名を迎え入
など、交流を実施。
4.研究成果の公表等に関連して特許の出願に至らず残念との指摘。 ・平成15年度は、1件を出願し、他1件を本部にて出願手続き中。

(2)改善方策

改善を要する問題点等 すでにとった措置 今後検討するもの
1.農林水産省における外部資金獲得に関して正式提案・応募がない。 企画連絡室、部課長会議および研究企画会議において関連情報を発信した。その結果、
・BT戦略素材として生産技術部及び日光支所から計4課題を提案。生産技術部2課題は民間と具体化に向け検討中であり、日光支所2課題は共同開発者となる民間企業を検討中。
・平成17年度プロジェクト素材として研究調査部(養殖研生産技術部)・栽培漁業部を中心に「ウナギ・イセエビ種苗生産」に関して課題を提案
今後も提案課題を整理し、応募に努力する。
2.ホームページ等を通じての各研究分野の情報の効率的利用と国民へのサービス向上 ・新組織広報及び魚病診断手続き等をホームページを活用し広報した。
・ウナギ種苗生産に関してはプレス発表及び取材・原稿執筆に積極的に対応した。また、KHVに関しても取材・原稿執筆に積極的に対応した。
・さらに、地域広報誌の取材に応じ原稿執筆を行った。 
今後も広報の充実に努力する。
3.単行本・マニュアル等について,養殖研としての実績がない。 ・分担執筆は5冊。
・マニュアルは原稿内容を再確認中であり、終了後ホームページを通じ電子情報として発行する。
・別途、アワビ文献情報を内容確認後、水産庁の了解を得た上で、電子情報もしくは印刷物として発行予定。
電子出版及び印刷物としての発刊を実施する。

4 15年度指摘事項等

1)外部評価委員の主な意見と対応方針等

外部評価委員の主な意見

対応方針と実施状況

1.研究及び事業成果を外部に効果的に伝えるよう期待する。 広報の対象を明確化する等、一層の努力をする。
2.評価すべき事項を整理し、前年度実績との比較等、効果的評価となるよう一層の工夫が必要。 評価項目の重点化を検討する。
3.個人評価により業績の底上げを図っても全体として向上が図られているか確認が必要。 今後の評価の結果を解析し、より有効な評価システムとなるよう努力する。

(2) 評価結果の反映方法(すでにとられた措置と今後予定している措置に分けて記載)

改善を要する問題点等

すでにとった措置

今後検討するもの
1.研究業績評価制度の効果的運用 平成16年4〜6月に評価を実施予定。 必要な改善意見を本部に提出する。
2.競争的資金の獲得に向けた効果的なシステムの検討 研究企画会議の設置。 研究企画会議の運用の検討を進める。
3.水産養殖関係試験研究推進会議のより効果的活用 研究所長会議等において検討する予定。 推進会議の実施方法を本部・参画機関と検討する。
4.上と関連するが、推進会議部会機能 全部会に研究会設立を検討開始。 部会機能の強化を進める。
5.計画した出版の確実な実施。 原稿のブラッシュアップを実施中。 出版予定の実施
6.ホームページの内容の充実を図ること。 更新を図りつつある。 HPの確実な更新及び内容の一層の充実

5 その他(所感、問題点等)

 今回の機関評価会議においては十分に論議できなかった事項として、事業及びプロジェクトの実施に伴う事務量の増加への対応がある。

  養殖研究所における水産庁受託費が研究費に占める割合は平成13年度の14.6%から15年度の25.8%へと著しい増加率を示している。特に担当課題の実施のみでなく、事業の取りまとめ業務を行うことが求められている。また、交付金プロジェクトにおいても同様に取りまとめ業務を担当することが求められている。これら取りまとめ(計画及び予算案調整・作成、会議開催及び報告書作成等)に多くの勤務時間を要するように成りつつある。これらに対して十分な支援体制を設けることが研究者の効率的な業務を可能とするが、支援体制のあり方については検討・評価を受けることが出来なかった。今後、所内及びセンター内で経験及び意見を交換し、次年度以降に評価を受けられるよう努力する必要がある。

  今回の機関評価の特記事項「特に優れた組織運営」として、以下の3点が評価された。

1. 「コイヘルペスウイルス病対応活動」として、我が国における初めての特定疾病例となるKHV侵入を確認し、診断技術を確立し、ニーズに対し迅速に対応していることが評価された。
2. 「シラスウナギ生産技術の開発」として、レプトケファルス幼生からシラスウナギへの変態に成功したことが評価された。
3. 「薬品管理システムの導入」として、他の水産研究所に先駆けて毒物等一元管理のため南勢庁舎及び玉城庁舎に薬品管理室を設置し、毒物、向精神薬等を収納管理することができるようになったことが評価された。