平成16年度水産養殖関係試験研究推進特別部会報告書

会議責任者 養殖研究所長
本年度の養殖特別部会における開催方針
 従来の都道府県水産試験研究機関長が参加する水産養殖関係試験研究推進会議の廃止に伴ない、本年度から水産養殖関係試験研究推進特別部会(以下、養殖特別部会)が新設された。しかし、ブロック推進会議の海区水産業研究部会や増養殖部会との参加者の重複を避けるため、養殖特別部会としての会議は本年度は開催せず、従来から出席希望者を集めて開催している育種、養殖基盤および魚病の各部会を連続した日程で開き、最終日の総合討論・所長総括において可能な限り養殖特別部会としての集約を図ることとした。
 また、本年度から全てのブロック推進会議および内水面関係試験研究推進会議に養殖研から研究管理職員等が参加し、特別部会傘下の研究部会の報告、および各ブロックから提出された養殖特別部会向けの研究ニーズや成果情報について協議に加わることとした。なお、説明補足資料として、「(独)水産総合研究センター養殖研究所の研究・事業の概要説明」、「平成16年度水産養殖関係試験研究推進特別部会等に関する報告」、「主要な研究課題説明図」、「養殖研究所課題一覧」、「養殖研究所要覧」及びパンフレット「海外伝染病研究棟」を参加する全ての推進会議で配布することとした。

 1. 開催日時及び場所  日時:平成16年12月7日13:00〜8日17:00
                場所:伊勢シティホテル(伊勢市吹上1-11-31)

 2. 出席者所属機関数及び人数  延べ 87機関 165名

 3. 結果の概要

議 題 結果の概要
1.研究部会と所長総括の概要

(1)魚病部会  (H16.12.07;18機関・38名) 

@フォローアップ  昨年度の要望を受けて、コイヘルペスウィルス病研究会を発足。養殖研のネットワーク上で閲覧できる診断マニュアルを作成中、パスワードを試験機関の魚病担当者に配布予定。さらに栽培漁業部が水産医薬品の開発チームを立ち上げ、開発支援に向けた試験を実施中。また、研究体制の充実の要求に対しては、病害防除部魚病診断研修センターに1名増員。栽培漁業部3名の併任発令。今後も増員に向け、積極的な働きかけを行う。
A魚類防疫地域合同検討会報告  全国10ブロックの検討会幹事県より魚病の発生状況、トピックス、問題点が報告され、下記の要望が取りまとめられた。 1)輸出検査に関する要望、2)コイヘルペスウィルス病・特定疾病に関する要望、3)水産用医薬品に関する要望、4)診断等に関する要望
B研究会報告 1)魚病症例研究会:8症例の報告、及びKHVに関する2件の特別講演と各県8件報告。 
2)コイヘルペスウィルス病研究会 
3)ワクチン研究会:アユ冷水病経口ワクチンについて、注射ワ クチンに匹敵する高い効果。実用化が期待される。 
4)アコヤガイへい死要因に関する研究会:養殖研で開発した診断液(単クローン抗体)が現場の診断に利用可能なことが実証。 本疾病が感染症と判明したため、来年度から「アコヤガイ赤変病研究会」に改名。 
5)ヒラメのエドワジエラ症研究会
(2)育種・養殖基盤部会合同会議  (本年度は合同開催;H16.12.08;69機関・127名)
@フォローアップ  昨年度の要望を受けて、育種部会では「シジミ種判別技術研修会(H16.12.16-17)」、及び「水産生物の品種登録制度等に関する勉強会(H16.3.30)」を開催。また、同勉強会は、研究会に格上げしてH17.3に県試験機関と協力して検討会議を計画中。養殖基盤研究部会では、「ウナギ親魚飼料開発に関する情報ネットワーク」を開設。また、「養魚飼料協会との意見交換会」を開催した。
Aシンポジウム「餌料生物研究の今後のあり方」  産学官の研究者8名による微細藻類や動物性餌料生物に関する生物学、生産の問題点、系統的差異、餌料価値等の発表が行われた。総合討論をの結果、今後の課題として下記の課題が指摘された。
 1)餌料生物の栄養強化効果の稚魚による評価手法の開発 
 2)栄養強化不要な餌料生物の探索
 3)貝類種苗用餌料プランクトンの市販化に向けた研究
 4)餌料生物培養過程で派生する廃液処理システム技術の開発
*業界誌から、このシンポ内容を基に連載の依頼があり、発表者による執筆を検討中。
B部会への要望  種苗生産用餌料生物に関わる情報交換・交流のための体制づくりが要望され、研究会の立ち上げを含めて今後検討することとなった。
(3)所長総括

 養殖研への要望の中で、全国的かつ専門的なものは養殖特別部会を通して全国推進会議に反映する。各ブロックの増養殖関係の問題は、担当水研と相談し、ブロック推進会議の論議を介して全国推進会議に上げる。また、要望は十分論議し、課題化に向けて努力する。 

2.ブロック推進会議報告

報告概要

 各ブロックの推進会議において与えられた説明時間5−15分間を活用して、養殖研究所の研究状況あるいは養殖特別部会「研究部会」に関する報告を行った。
 研究ニーズは、北海道と西海ブロック、及び内水面関係の3つの推進会議を介して15県から22件が養殖特別部会に寄せられた。推進会議の場で論議を行い、養殖研の対応案や研究の現状を説明した。また、会議の場で時間が無く十分な論議ができなかった場合には、関連する推進会議事務局に文書で対応案を提出した。
 研究成果情報は、東北、西海ブロックを除く各ブロック及び内水面関係推進会議から計15題について校閲あるいは会議中にコメントを求められた。そのうち養殖特別部会扱いは6題、ブロック推進会議扱いは9題であった。その他、養殖研から6題を提出した。

(1)北海道ブロック推進会議

開催日時及び場所     :H17年1月19日9:30-17:00
出席者所属機関及び人数:20機関35名
養殖研からの派遣者   :企画連絡室長 秋山敏男

@養殖研及び養殖特別部会の報告 15分間の報告時間が与えられ、配付資料に沿って養殖特別部会の各研究部会の報告を中心に説明を行った。
A研究ニーズ  北海道からの研究ニーズ5件のうち2件が養殖特別部会宛であったが、論議の結果、1件「成長促進と高品質化をもたらすための餌料改善研究(北海道立水産孵化場)」について回答した。最終的には養殖研飼餌料研究グループを窓口として当事者同士で情報交換や具体的な検討を行うこととした。
B成果情報  北海道から提出された12件のうち3件が養殖関係であったが、1件は北海道ブロックが、2件(「マツカワのエドワジエラ症に対するOTCの投薬効果(道立中央水産試験場)」、「噴火湾養殖ホタテガイの卵質評価に関する試み(道立栽培漁業総合センター)」)を養殖特別部会が扱うこととした。これらの内容校閲は会議の前後を通して実施した。
(2)東北ブロック推進会議

開催日時及び場所     :H16年12月9日13:30−10日12:00
出席者所属機関及び人数:13機関29名
養殖研からの派遣者   :病害防除部長 飯田貴次

@養殖研及び養殖特別部会の報告 5分間の報告時間が与えられ、養殖研究所の研究状況を中心に説明を行った。
A研究ニーズ  本ブロックからは、養殖特別部会への研究ニーズはなかった。
B成果情報  本ブロックからは、養殖特別部会の扱う課題は提出されなかった。また、内容校閲の依頼もなかった。
(3)中央ブロック推進会議

開催日時及び場所     :H17年1月13日13:30−14日12:30
出席者所属機関及び人数: 26機関 41名
養殖研からの派遣者   :生産システム部長 横山雅仁

@養殖研及び養殖特別部会の報告  5分間の報告時間が与えられ、養殖研の研究状況、特に次年度開始予定のウナギ・イセエビ委託プロ研や養殖特別部会の報告を中心に説明を行った。
A研究ニーズ 本ブロックからは、養殖特別部会への研究ニーズはなかった。
B成果情報 本ブロックからは、養殖特別部会の扱う課題は提出されなかった。しかし、会議中に養殖関連の1件「低コスト型飼料開発研究」についてコメントを行った。
(4)日本海ブロック推進会議

開催日時及び場所     :H17年1月19日13:00−20日12:00 
出席者所属機関及び人数:23機関32名
養殖研からの派遣者   :企画連絡科長 小西光一

@養殖研及び養殖特別部会の報告  5分間の時間が与えられ、養殖特別部会開催の今年度方針や、コイヘルペスウィルス病及び今後予想されるSVC等の特定疾病への対応に伴う魚病関係業務部門の強化等について報告した。
A研究ニーズ  会議の場で、ブロック県から1件の要望「魚病体策をより強化するために養殖研病害防除部の規模拡大(富山水試)」があり、前述のように、「KHV等の特定疾病への対応、部員の増加の状況、本年度建築中の魚病診断研修棟」等を説明し、強化に努めている現状について理解を求めた。
B成果情報  2件(「ズワイガニゾエア幼生の高度不飽和脂肪酸の要求(小浜栽培漁業センター)」、「トラフグの環境調和型養殖(福井水試)」について養殖特別部会が直接当該機関と連絡し校閲を実施した。修正された成果情報は当該ブロックの成果として推進会議で採択された。
(5)瀬戸内ブロック推進会議

開催日時及び場所     :H17年1月31日13:00−2月1日10:50
出席者所属機関及び人数:23機関36名
養殖研からの派遣者   :生産システム部長 杜多 哲

@養殖研及び養殖特別部会の報告  5分間の報告時間が与えられ、配付資料に沿って養殖特別部会の各研究部会の報告を中心に説明を行った。
A研究ニーズ  本ブロックからは、養殖特別部会への研究ニーズはなかった。
B成果情報 ブロックから提出された養殖関連の4件(「閉鎖循環システムを利用した飼育技術の開発(屋島栽培セ)」、「餌料生物の細菌汚染を軽減する紫外線照射装置の開発(岡山水試)」、)について、養殖特別部会に校閲依頼がなされ、修正案が瀬戸内水研を通して当該機関に伝えられた。修正された成果情報は当該ブロック推進会議で採択され、当該機関に対して成果情報の様式中の推進会議の欄には「養殖特別部会」と記入するように要請がなされた。
(6)西海ブロック推進会議

開催日時及び場所     :H17年2月17日13:00−17:30
出席者所属機関及び人数:13機関34名
養殖研からの派遣者   :養殖研究所長 酒井保次

@養殖研及び養殖特別部会の報告  5分間の報告時間が与えられ、配付資料に沿って養殖研の情勢、養殖特別部会および主要研究課題について説明を行った。
A研究ニーズ  4件の研究ニーズについて養殖研の対応が求められた。会議では、論議のための十分な時間がなかったため、養殖研としての対応案や研究情報等を西水研企連室に提出した。
B成果情報  本ブロックからは、養殖特別部会の扱う課題は提出されなかった。また、内容校閲の依頼もなかった。
(7)内水面関係推進会議

開催日時及び場所     :H17年2月9日9:30−10日12:30
出席者所属機関及び人数:29機関46名
養殖研からの派遣者   :病害防除部グループ長 三輪 理

@養殖研及び養殖特別部会の報告  10分間の報告時間が与えられ、予め会議事務局から要請されて送付した魚病関係の配付資料に従ってKHV研究の現状とアユ冷水病ワクチンの開発を中心に説明を行った。
A研究ニーズ  12県から計16件の魚病関連ニーズについて養殖特別部会での検討要請があったが、これらを7件に大別して対応案を作成した。これは会議内では論議されなかったが、別途、部長宛にに送付した。
B成果情報  事前に養殖関連の6件の成果情報について養殖研で校閲した。これらは内水面関係推進会議の成果として採択された。
(8)その他

水産工学関係試験研究推進会議特別部会に生産システム部日向野チーム長が特別参加したが、養殖特別部会に関する論議は無かった。