ノリは、年間の生産額が約800億円(生産枚数85億枚)にも達する最も大きな養殖対象種です。その生産量の増大には、優良品種の育成・普及が貢献しています。 今は全国的に、生長に優れるスサビノリ系の品種が養殖され、色も良い製品が大量生産できるようになりました。一方、抗病性品種や高温耐性をもつ品種、味がよいことで知られるアサクサノリ系品種を求める声もあり、多様な育種素材が必要です。 ジーンバンク事業では、育種に貢献する素材を確保し、特性を維持しながら保存しています。
【有明海のノリ養殖】

有明海は、日本最大のノリ生産地です。沿岸域に広がるノリ養殖場で、主に秋〜冬の寒い季節に生産されています。
【糸状体での保存】

ノリは暑い季節には糸のような形(これを糸状体と言います)で過ごします。ノリの保存は、この糸状体を利用して行います。写真は、適切な温度、明るさを保ちながら保存中の各株の糸状体です。
【保存株の増殖特性を確認】

保存している糸状体が、胞子を出し、これが正常なノリ(葉状体と言います)に生長することを確かめる必要があります。写真のように、適切な時期に、葉状体の育成試験を行い、その増殖を確認する作業を行っています。
【アサクサノリ(野生)】

野生のアサクサノリは、河口域に生息しています。ところが、環境変化から絶滅が心配されています。現在、スサビ ノリと比較して生長に劣ることから、アサクサノリは養殖には使われていませんが、味の良さからが注目されています。
【絶滅危惧種の保存】

写真はカイガラアマノリ(山口県では試験的に養殖)というノリです。ちょっと変わった種で、糸状体から(胞子を作らず)、直接、葉状体が伸びてきます。絶滅危惧種です。このような株も収集保存しています。