なぜ水産生物遺伝資源の保存が必要なの?
魚や貝の養殖には餌となる生物(生物餌料と呼びます)が不可欠です。私たちは、 1960年代から長い年月をかけて、よく増殖し、栄養価も高い生物餌料を選んできました。これらの利用価値の高い生物餌料は、有用株として大切に保存し、必要に応じて利用していただくことが重要です。

藻類の養殖では,高生長や病気に強いといった優れた性質を持つ株を活用する ことが重要です。そして,このような株を作り出す時に,候補となる素材(これを育種素材と言います) を集めておくことや,選ばれた産物を大切に持っておくことが大切です。

また,海水や淡水には多くの細菌類がいます。これらの中には,醗酵などの技術に応用できる利用価値の高い細菌類も見つかっています。また、病気に強い魚を育種するためには、感染試験を行う必要があり、これらの海洋細菌や病原菌は限ら れていますが、試験にはよく使われる細菌類となっています。

国立研究開発法人水産研究・教育機構では,魚介類の養殖に必要な生物餌料や 育種素材として有用な藻類などを中心に,水産生物遺伝資源保存事業(ジーン バンク事業)を積極的に進め、有償配布を行っています。
事業の沿革
1985 (昭和60年) 農林水産ジーンバンク事業として発足
2000 (平成12年) 独立行政法人水産総合研究センター
             「水産生物遺伝資源保存事業」へ移行
2004 (平成16年) 微生物遺伝資源の配布開始
2006 (平成18年) 生物餌料(微細藻類)遺伝資源配布開始
2009 (平成21年) 藻類(コンブ、ワカメ、アマノリなど)遺伝資源配布開始
2011 (平成23年) 生物餌料(ワムシなど)遺伝資源配布開始

2000年(平成12年)以後のジーンバンク事業の概要
 水産研究・教育機構のジーンバンク事業では生物餌料(ワムシ、並びに栄養価の高い微細藻類)、藻類(コンブ類,ワカメ・アラメ・カジメ類,アマノリ類)、微生物(水産動物の病気の原因となる細菌類や利用価値のある海洋細菌)を対象に、特徴的な性質を調査し,生きた状態で保存しています。
 これら遺伝資源の特性に関する情報は,ホームページ上に公開します。また,保存されている株のうち特性調査の結果、利用価値が高く、配布が可能と判断できた種や株については,規程(クリックして閲覧して下さい)に従って利用者に有償配布致します。

配布について
ご質問はセンターバンク(増養殖研究所;育種研究センター)にお問い合わせ下さい。

これまでに、生物餌料(餌として利用価値の高い微細藻類)、藻類
(アマノリ類やコンブ、ワカメなど)、微生物の有償配布を行ってきました。

平成23年4月より生物餌料(ワムシなど)の有償配布を開始しています。